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うつ病の根本原因「反すう思考」が、プロバイオティクスのサプリでストップする

Probiotics1

うつ病の一番の原因は『反すう思考』だ!」って説があります。


「反すう」とは、牛が胃から草を口にもどして何度もクチャクチャ噛む行為を指しますが、うつ病や不安症の「反すう」は、自分の欠点や過去の失敗を何度もイジイジと考え続けることを意味しております。この傾向が強い人ほど抑うつや不安に苦しみやすいのは、いろんなデータでもハッキリ出てるんですな。



で、心理学の世界だと、まずは「認知療法で考え方のゆがみを取ろう!」みたいな話になるんですけども、近ごろ出たランダム化比較試験(1)だと、プロバイオティクスのサプリを飲むだけでも結構な効果があるらしい。


これはライデン脳認知研究所の実験で、40人の健康な男女を対象にしたもの。全員を2つのグループにわけて、いっぽうには毎日プロバイオティクスのサプリ(Ecologicって商品らしい)を飲んでもらい、もういっぽうにはプラセボ薬が手渡されたんだそうな。


で、4週間後の結果は、

プロバイオティクスを飲んだ参加者は、悲しい気分になったときでも、攻撃的な思考や反すう思考にとらわれることが少なくなった。

とのこと。もちろん、悲しい気分になるのは避けられませんが、そこから不必要にダラダラと悩まず、沈んだムードから素早く復帰できるようになったみたい。すばらしいですねぇ。


そのメカニズムにはまだ不明な点も多いものの、研究者たちの考えによれば、

  1. 細菌たちが慢性炎症リーキーガットをやわらげ、脳が上手く働くようになった
  2. 腸内細菌がトリプトファンのレベルを増やし、セロトニンの合成量が増える

といった仕組みが想定されている模様。このあたりについては、過去にも豊富な研究例があるので、とても納得しやすいところであります。腸内細菌たちは、攻めと守りの両面から脳の働きを良くしてくれるんですねぇ。


ちなみに、今回の実験で使われたサプリは、かなり日本では手に入れづらい感じ。といってもプロバイオティクスサプリについては、商品の種類も重要ながら、とにかく自分の体質に合うものを探すのが大事なんで、まずはiHerbなどで評価が高いものを参考にしつつ1か月ほど試してみるしかないかもですね。
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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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