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正しい肉の食べ方

Meat2 

 

2015年に「肉って体にいいの?悪いの?」みたいなシリーズを書いたことがありまして。

 

 

すごーくざっくりまとめると、「肉はちゃんと食べたほうがいいんだけど、いっぽうで病気になる可能性も高いので取り扱いには注意しようね」みたいな話です。食べすぎても食べなさすぎても、体には良くないですよーってことですね。

 

 

といっても、「じゃあ具体的にどうやって肉を食べればいいの?」ってとこには踏み込んでなかったので、そのへんをまとめておこうかと思います。

 



 

1.肉は高温で焼かない、揚げない、炒めない

とりあえず高温調理を避けるのは超大事。外食ではどうしようもないですが、自炊のときはできるだけ弱火で調理をするのが基本です。  

 

 

というのも、肉を高温で焼けば焼くほど、ヘテロサイクリックアミンという発がん物質が出ちゃう。と同時に、老化物質であるAGEsも増やしてしまうんで、くれぐれも高温にはご注意ください。

 

 

2.肉も分散投資が大事

分散投資ってのは、要するに「いろんなタイプの肉を食べようね!」ってことです。なにせ、同じ肉でも、牛肉や豚肉などでは脂質やアミノ酸の構成が違ってるんで、ひとつの種類ばかり食べてると、どうしても栄養にかたよりが出ちゃうんですよね。

 

 

筋トレなんかをやってると、つい鶏むね肉やホエイプロテインばかりを取りがちですが、牛、ブタ、羊、ニワトリ、魚など、いろんなタンパク源を回していくのが大事。このへんは野菜と同じですね。

 

 

3.肉と野菜はつねにセット

これは「肉と発がんリスク」の話で書いたことでして、とにかく肉ばっか食べるのは絶対にNG。いっぽうで大量の野菜と肉を一緒にたべると、発がん性はかなり減少することがわかっております。

 

 

とくにアブラナ科の野菜(ブロッコリーとかキャベツとか)は、腸の中で発がん物質を減らす働きが確認されてるんで、付け合せとして積極的に食べたいところです。そのほか、ほうれん草やパセリなんかもいい感じです。

 

 

4.味つけはマリネ&スパイスが最強

肉の老化物質AGEsがマリネで激減するのは、以前にも書いたとおり。同時に発がん物質も減らしてくれるんで、肉の調理法としては最強ではないかと。

 

 

マリネ液として使うのは、お酢でもレモン汁でもなんでもOK。とにかくお肉を1時間ほど漬け込んでいただければと思います。

 

 

が、マリネが苦手な場合は、スパイスやハーブ系のシーズニングを使ってみるのも手。こちらもAGEsの生成を減らす働きが知られております。

 

 

5.ゼラチン質もぜひお食べください

これは上記の「分散投資」とかぶるんですが、特に筋トレ系の人などは、ゼラチン質の部分を食べない傾向が強い印象であります。

 

 

が、ゼラチンのタンパク質は、赤身とはアミノ酸のバランスが違ってまして、グリシン、プロリンといった成分が豊富。グリシンは、体内で他のアミノ酸のバランスを取る働きをしてくれまして、リーキーガットに効くかも?といったデータもあったりします。

 

 

まぁこのあたりは動物実験のデータがメインなので、具体的にどこまでゼラチン質が必要かは不明。しかし、やっぱいろんなタイプのタンパク質は摂っておいたほうが、安心じゃないかなーと思う次第です。

 

 

6.できればグラスフェッドを選びたい

肉って体にいいの?悪いの?」のシリーズでさんざん書いたとおり、大半の肉のトラブルは「加工肉」で起きています。これはハムやソーセージのような加工商品だけでなく、燻製肉のようなタイプでも同じ。とにかく肉に関しては、加工レベルと品質が大事みたいなんですな。

 

 

あらゆるダイエット研究から導き出された唯一の正しい食事法」でも「肉と魚は品質のよいものを厳選しよう!」ってポイントが強調されてましたけど、できれば穀物で育った牛よりは牧草牛を選ぶのが吉。ただし、それだとコストがかさむので、せめて抗生物質が少ないものを選ばれるとよいかと思います。

 

 

7.あとは鉄分に気を配っておけば万全

肉に関して残る問題は「鉄分」であります。ご存じのとおり、牛や羊の肉は豊富な鉄分をふくんでまして、これが体内に増えすぎると、酸化を起こして老化の原因になりかねないんですね。

 

 

まぁ、正直このあたりは動物実験のデータがメインなので、質のいい肉から鉄分を摂った場合に、どのレベルまで人体に悪影響が出るのかは不明。とはいえ、万が一に備えて鉄分の過剰摂取を予防しておくとよさげです。

 

 

具体的には、ちゃんと肉と脂身を一緒に食べおくと、飽和脂肪酸が鉄の害をおさえてくれていい感じ(1)。また、緑茶には鉄分のブロック作用もあるんで、肉を食べつつ飲むと良いかも。といっても、やはり一番いいのは、さまざまなタイプの肉を食べて鉄の過剰リスクを減らすことでしょうが。

 

 

 まとめ

というわけで、肉の安全な食べ方をまとめてみました。とにかく、いろんなタイプのタンパク源を、できるだけ低温で食べるのが基本かと思います。かく言うわたしも、気を抜くと鶏肉ばかり食べがちなので、気をつけねばいかんのですが…。 

  

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。