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自然派の石鹸だろうが洗いすぎれば肌の菌は死ぬよなーという当たり前の話

Soap

 

石鹸には問題がないの?

手洗いに関するご質問をいただきました。

 

抗菌剤が入ったソープを使ってはいけないようですが、普通の石鹸はどうなんでしょうか? 抗菌剤よりも害がないのはわかりますが、やはり洗いすぎも良くないのではないかと思いまして…。適切な洗い方などがあれば教えて欲しいです。

 

とのこと。石鹸の手洗いにはどんな問題があるのか、と。

 

 

この話は、そもそも2016年にアメリカ政府が「抗菌剤が入ったソープは危険!」ってアナウンスを出したのが発端。肌に住み着いてる「良い菌」まで抗菌剤が殺しちゃうんで、プラマイではむしろマイナスなんだよーってことがわかったんですね。要するに、手洗いは普通に石鹸を使うのがベター。



「理論上は」石鹸にも問題がある

…なんだけど、理論上は石鹸が問題ゼロってわけでもないです。

 

 

というのも、ご存じのとおり石鹸はアルカリ性の物質。pHでいうと大体10前後なんですが、いっぽうでヒトの肌は酸性でpHが5以下なんですよ。

 

 

でもって、2006年の研究(1)などによれば、肌の細菌が正しく暮らすにはpHレベルが超大事なことがわかってるんですね。。ざっくり言うと、

 

  • 肌のpHが低い=良い菌が住み着きやすいので感染に強い
  • 肌のpHが高い=良い菌が住めなくなり感染に弱くなる

 

って感じ。つまり、どんな「自然派」ソープを使おうが、原理的には肌にダメージは出ます。

 

 

洗いすぎが肌に悪いのは間違いないですが…

ただし、どんだけ手を洗うとヤバいの?って厳密な実験はありませんで、いまのところヘルスケアワーカーを対象にした調査があるぐらい(2,3)。これによると、やっぱり手を洗う頻度が多い人ほど肌の菌がダメージを受けており、感染リスクも高くなるって結論ではあります。

 

 

もっとも、この調査では、みんな最低でも1日に6回ほど石鹸を使ってるんで、いまいち参考にしづらい感じ。洗いすぎが良くないのは間違いないものの、明確な基準はよくわからんのが現状であります。

 

 

まとめ 

まぁ1日1回の石鹸ぐらいじゃ大した変化は起きないでしょうから、「帰宅後は手を洗う」ぐらいに留めとけばいいんじゃないでしょうか。いずれにせよ、

 

  • 余計な成分が入ったものは使わない
  • できるだけ体を洗う回数を減らす

 

 って基本ラインを守っとけばOK。あとは「最強のスキンケア」でお肌をいたわってやるぐらいでいいのではないかと。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。