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究極の食物繊維?「レジスタントスターチ」の正しい摂り方

Greenbanana

 

レジスタントスターチには種類がある 

最近も良い感じの論文が出て、ますます注目されているのがレジスタントスターチ。腸内細菌のエサになってくれる、ありがたい食物繊維の一種であります。

 

 

で、レジスタントスターチに関するご質問をいただきました。

 

グリーンバナナやポテトスターチは加熱処理をしても効果は失われないものなのでしょうか? 以下の記事によるとグリーンバナナやポテトスターチは加熱により効果が失われると記載がありました。

 「日本食品標準成分表の成分値策定における食物繊維定量法の選定に関する提言

 

 とのこと。ご質問者さんがおっしゃるのは、添付の記事内にあった

 

レジスタントスターチ(RS),特に RS1 や RS2(これらのRSは,熱に不安定で,加熱処理で消失するとされている)

 

の部分かと思います。なんだかわかりにくいですが、要するにレジスタントスターチには、いくつかの種類があるんですね。

 



 

5種類のレジスタントスターチ

具体的には、

 

  • タイプ1:外側が固いせいで物理的に消化できないタイプ。豆類、種子類、未精製の麦なんかに多い。
  • タイプ2:自然に食品のなかに入っていて、生の状態だと消化できないタイプ。ジャガイモ、グリーンバナナ、ポテトスターチ、トウモロコシなんかに豊富。
  • タイプ3:タイプ1とタイプ2に熱を加えて、いったん冷やした場合に発生する。俗に言う「老化でんぷん」。いったんこの状態になると、再加熱してもレジスタントスターチの効果が残る(1)。冷や飯やポテトサラダ、枝豆なんかに豊富。
  • タイプ4:化学合成されたレジスタントスターチで、サプリなどに使われる。体への反応に違いがあるかは不明なので、積極的にはオススメせず。
  • タイプ5:アミロース脂質複合体。でんぷんが多い食品を油で調理したときに発生する。チャーハンとか。

 

 みたいな区別がされております。

 

 

加熱したあとで冷やせばOK!

なかなかややこしいですけど、重要なポイントはひとつだけで、

 

  • 加熱した後もいったん冷やせばレジスタントスターチの効果は残る!

 

ってことですね。というわけで基本的には、

 

  1. いったん食品を加熱
  2. 冷蔵庫に入れて一晩放置
  3. そのまま食べるか、軽く温め直す

 

って手順を取ればOKであります。

 

 

食品ごとの調理ポイント

具体的に言うと、

 

  • ジャガイモ:柔らかくなるまで茹でたら、そのまま放置して冷やす。再加熱のときは、70度を超えないほうがレジスタントスターチが残りやすい。
  • グリーンバナナ:いったん茹でて皮をむいたら、冷蔵庫で6時間ぐらい放置。パンケーキに使うときは、70℃ぐらいの低温で焼いたほうがベター。
  • ポテトスターチ:こちらも再加熱してもいいけど、70℃ぐらいにしといたほうがレジスタントスターチの機能が生き残りやすい。個人的には、特に加熱をせずに、スムージーとかに小さじ1杯ぐらい入れて飲むのがオススメ。
  • その他:他にレジスタントスターチが多い食品としては、ニンジン、サツマイモ、カブ、ビーツ、カボチャ、マッシュルーム、リンゴ、アボカドなど。いずれもタイプ2のレジスタントスターチなので、加熱調理の注意点は上と同じ。

 

 といったあたりに気をつけていただければと思います。いったん冷ましたレジスタントスターチは再加熱してもOKだけど、あんま高温は使わないのがポイントですね。

 

 

 ってことで、近ごろの私のキッチンには、つねに冷えたジャガイモが常備してあったりします。スロークッカーで定期的に作っておくと便利。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。