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ドーパミンを増やすとなぜ幸せな人生を送れるのか?問題

Life

  

ちょっと前に「ドーパミンを増やす方法」なんて話を書きました。ドーパミンは脳の「やる気ホルモン」だから、減っちゃうといろいろ大変だよー、みたいな話です。

 

 



ドーパミンが増えると何がいいのか?

ドーパミンは「性格」の問題にも関わってくるポイントで、ドーパミンが少ない人は、わりと内向&神経症的な傾向が高まりがち。もともと生まれつき不安ぎみな私には、かなり大事なポイントだったりします。

 

 

かといって、強引に「ポジティブになるぞ!」と考えたところでいろいろ逆効果なんで、ここはひとつ、神経伝達物質の働きを変える方向で考えたほうが有効ではないか、と。私も40代になって「人見知りで…」とか言ってる場合でもないですからね(笑)

 

 

ちなみに、前回に紹介した方法のなかで個人的に特に有用性を実感したのは、

 

  • エクササイズ
  • 太陽
  • 瞑想

 

 の3つ。これに加えて、当ブログではおなじみの「炎症対策」も、かなり自分のドーパミンを増やすのに役立ったような気がしております(プラシーボかもしれませんが)。

 

 

ってことで、今回は「そもそもドーパミンが増えると何がいいのか?」ってあたりをまとめときます。もちろん、ドーパミンが増えすぎても良くないんですけど、現代人はドーパミンの減少で悩んでる人のほうが多いかと思うんで、そのあたりはまた別の機会に。

 

 

ドーパミン増加による6つのメリット

1.とりあえず性格は前向きになる

ドーパミンと性格については80年代の古典的な研究(1)が有名で、16人の男性をチェックしたら、ドーパミンの量と外交的な性格のレベルがキレイに相関してたんですな。いっぽうで鬱病とドーパミンレベルには関連がなかったようで、このへんもおもしろいところです。

 

 

また、わりと最近の研究(2)でも、ドーパミンの受容体が少ない人は、

 

  • 自分を大事にしない
  • 性格が冷たい
  • 社交不安がある

 

 みたいな傾向が出てたりします。やっぱドーパミンってヒトの性格への影響がデカいのね…。

 

 

2.社会的にも成功しやすい…かも

2010年の調査(3)では、「ドーパミンと社会ステータスには関連があるか?」ってとこをチェックしてて、これまたおもしろい。

 

 

これは14人の男女を調べた研究で、それぞれの「ドーパミンの効きやすさ」と「社会でのステータス」の関係を調べたんですね。ここで言う社会ステータスってのは、世間的に「地位が高いなー」と思われる職業についてるかどうかを指しております。

 

 

で、結果はこんな感じ。相関係数は0.71で、わりとキレイにドーパミンレベルと対応してますね。

 

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 もちろん、これは「ドーパミンのおかげで偉くなる!」んじゃなくて、「偉くなったせいでドーパミンが増えた!」って可能性もあるんで注意が必要ではありますが、おもしろい傾向だなー、と。

 

 

3.金も儲かる!…かも

もういっこ、2016年の調査(4)では、「ドーパミンは裕福さと関係があるか」ってとこをチェックしております。具体的には、参加者のドーパミン受容体と職業の種類(中小企業の社員かビジネスオーナーかとか)を比べたんですね。

 

 

その結果は上と同じで、やはりドーパミンと裕福さには相関があったみたい。といってもサンプル数は14人だし、こちらも「金が入るとドーパミンが増えるのでは?」って可能性もあるわけですが。

 

 

ちなみに、同様の現象としては、ドーパミンの効きがいい人ほど学歴が高い!といった傾向(5)も確認されてたりします。このあたりが後の裕福さと関連してるのかも。

 

 

4.新奇探索傾向が増えるっぽい

ドーパミンで成功しやすくなる原因のひとつとして考えられるのが、「新奇探索傾向」の上昇であります。これは「なにか目新しいものはないか?」を探しちゃう傾向のことで、これが高いほど損失を恐れる気持ちが減り、リスクを取りやすくなるんですな。

 

 

たとえば130人を調べた2007年の研究(5)では、遺伝的にドーパミンが多くなりやすい女性は、およそ36%ぐらい新奇探索傾向が高かったそうな(ついでに外向性も高かった)。

 

 

5.なにせモチベーションが上がる

もうひとつ社会的成功の原因としてあり得るのが、ドーパミンのモチベーションアップ効果。もともと「やる気ホルモン」と呼ばれるぐらいなんで、とにかく「なんかするぞ!」って気分を高めるわけっすな。

 

 

これはいろんな研究(6)で実証されてて、基本的には脳の報酬系に働きかけるのが原因。ドーパミンが増えると良い気分が高まり、それと同時に嫌悪感のスイッチをオフにするんで、結果としてモチベーションが上がっていくんですな。

 

 

また、2016年のレビュー(7)などを見てますと、ドーパミンが少ない人ほど努力をしなくなり、物事への興味も失われちゃう傾向が確認されてたりします。恐ろしいもんですな。

 

 

6.記憶力と集中力も上がる

ドーパミンが、脳の記憶と集中をつかさどるエリアと関わってるのは有名な話(8,9)。そもそも人間はモチベーションがないと記憶もできないし、集中も続かない生き物なんですな。要するに、興味があるものは集中できるし、頭にも残りやすいという当たり前の話です。

 

 

近年では、ドーパミンはワーキングメモリと長期記憶の両方を高めることもわかってたりします(10)。どうやらドーパミンが脳の神経細胞のスイッチをオンにするみたいなんですな。

 

 

まとめ

ってことで、ドーパミンが増えるメリットをいろいろ並べてみました。正直、ドーパミンを増やせば成功できるかって点はあやふやなものの、モチベーションや集中力アップは間違いないので、気になる方は押さえておくとよろしいかと存じます。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。