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長時間のエクササイズをする時は、どれぐらい糖質を取るのがベストなのか?問題

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炭水化物を取れば運動のパフォーマンスは上がるよねー」ってのは常識で、過去のメタ分析なんかでもたびたび実証されている話。エクササイズに糖質が欠かせないのは間違いないところです。

 

 

ただ、ここでまだ未知数なのが「最適な糖質の量ってどれぐらいなの?」ってとこです。過去のデータ(1)を見てると、糖質をとるほど右肩上がりでパフォーマンスが伸びていく傾向はあるんですけど、身体が短時間で使える上限より多くとったらどうなるか?みたいな問題については、わりと実験の結果がばらけてるんですよ。

 



 

そんなわけで新しい論文(2)では、糖質の摂取量と身体の反応をチェックしつつ、運動のパフォーマンスにどう関係してるか?という問題を調べてくれております。

 

 

実験の参加者は20人の男性で、みんな3年以上のトレーニング歴を持ったサイクリスト。実験の手順としては、

 

  1. 最大酸素摂取量の60%で2時間ほどサイクリング
  2. その際、糖質を1時間に0g、20g、39g、64gの4パターンで飲む
  3. その後、35分のタイムトライアルをする

 

みたいな感じです。糖質の量が4パターンなんで、全員に対して行われた試験の回数ももちろん4回。それぞれの試験のあいだは1週間ずつ開けたとのこと。

 

 

さて、以下が結果です。

 

  • 20gの糖質だと、水を飲んだ場合とパフォーマンスのアップ度は同じ(つまり、特にパフォーマンスはアップしない)

 

  • 39gと64gはどちらも同じぐらいタイムトライアルの成績をアップさせた

 

ってことで、数時間を超すエクササイズの場合、どうも1時間あたりの糖質摂取量は40gぐらいが最低ラインっぽい。また、39gと69gをくらべると、肝臓のグルコース産生の下がり方はほぼ変わらなかったみたいなんで(60~75%ぐらい)、特に目立った差が出ないんでしょうな。

 

 

なので、

 

  • エクササイズが2.5時間より下の場合はだいたい1時間に40gぐらいの糖質を取るのがいいよ!

 

ってことになりましょう。ちなみに、2014年の系統的レビュー(3)を見ますと、2時間を超すエクササイズの時は1時間あたり40〜110gぐらいが最適ゾーンとのこと。個人的にはそんなに連続でエクササイズをするケースはないんですけど、とりあえずどんな運動でも1時間あたり40gぐらいを目安にしとくといいかもっすね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。