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ごまんとある「勉強法」の中で本当に効いたテクニック6選

Studymethod

 

これまでに「効率がいい勉強法はどれだ?」みたいな話をいろいろ書いてきたんですが、「では自分では何を使ってるんですか?」みたいなことを聞かれるケースが増えてきましたんで、実際に私が愛用している手法をまとめておきます。いちおう全てにエビデンスはあるものの、あくまで私にとってよかったものをあげてるだけなので、ぜひ自分に適したテクニック選びの一助にしていただければ幸いです。

 



個人的によく効いた「勉強法」トップ6

1.検索練習

とりあえず「勉強法」の基本中の基本がこれ。とにかくデータ数が多いんで、外部サイト出稿した記事でもおすすめしてたりします。

 

 

これはクイズとか模試を使った学習法のことで、要は「忘れた頃に頑張って思い出す」って要素が入ってればなんでもOK。具体的には「学習法の統一王者、それは「検索練習」」を見ていただくとして、さらに私がどのように使ってるかは「忘れたくないものは何でもかんでも「Anki」にぶち込んでますよー」が参考になるかと思われます。

 

 

 

2.戦略的リソース利用法

 

自分の中では検索練習の次にマストなのがこれ。ざっくり言うと、

 

  1. 新しいことを学ぶ前に「自分はこのジャンルから何を得たいのか?」ってのを書き出す
  2. 使えそうな参考書や資料を15個まで絞り込む
  3. その資料と参考書が使えると思った理由と、それらをどのように使うつもりかを書き出す

 

みたいな感じです。要は「結局のところ自分は何がしたいんだっけか?」を認識しといて、メタ認知に効かせていくわけですね。本当はもうちょい複雑なんで、「いくら勉強しても結果が出ない!を解決する「戦略的リソース利用法」」をどうぞ。本当は「メタ認知的読書術」みたいなのを徹底する方がいいような気もしますが、あまりに手間がかかるんで挫折しました(笑)

 

 

 

3.他人に教えるつもり戦略

小難しいことを勉強してるとき(特に統計とか)に必須なのが「他人に教えるつもり戦略」であります。ネタ元はワシントン大学実験で、「勉強の後で他の学生に教えなければならない!」と思いながら学習した生徒は、その後のテストの成績が良くなり、重要な情報ほど頭によく残ってたらしいんですね。

 

 

 

これは、実際にやってみるとわかりますが、込み入ったテーマを学ぶときはやたらと効きます。「人に教えるぞ!」と思いながらテキストを読むと、自然と要点に目が行って、無意識のうちに内容を噛み砕こうとし始めるんですよね。

 

 

ちなみに、ここ数年は「簡潔にブログにまとめるにはどうすればいいんだ?」と思いながら論文を読んでるせいで、昔より情報の定着率は良くなったように思います。かつては読んだ端から忘れてたもんですが。

 

 

 

4.記憶の宮殿

全米記憶力バトルのチャンピオンも使っているのが「記憶の宮殿」。これは、まず頭の中に架空の空間(自分の部屋とかでOK)をイメージして、そこに覚えたいことを配置していくという手法です。一説には、「記憶の宮殿」で脳の機能が上がるかも?なんて報告もありまして、「脳トレ」の一種としても、おもしろいポテンシャルを持ってたりします。

 

 

ただ、これはテクニックの性質上、シンプルな暗記にしか向いてないのが難点ではあります。ちょっと込み入った内容を覚えたいと思ったら「検索練習」の方が有利なんで、個人的にこの技法は、化学式や年号なんかを覚えたいときとかに使っております。

 

 

 

 

5.新しく学んだことは手書きで

ここからは小ネタ。新しく学んだことを定着させたいときは、どうもノートに手書きしたほうが効率がいいってことなんで、ポイントのまとめなんかはノートに書き込んでます。ネタ元は2014年の研究で、学生たちに手書きノートとPCの2パターンで勉強させたら、ペンと紙を使ったグループの方が記憶力が上がり、複雑なアイデアをまとめるのが上手くなったというんですな。

 

 

これは、なんでも紙にペンを走らせる動作の方が物理的な感触が多いので、たんにタイピングするよりも情報の引っかかりが多くなるのが原因とのこと。ってことで、勉強はやっぱ昔ながらのノートでやったほうが吉っぽい。

 

 

 

6.とりあえず失敗を受け入れられないと脳が働かない問題

 

こちらは2014年のジョンホプキンス大学論文(1)がネタ元で、すごーく簡単に言っちゃうと、人間の脳にはもともと「自分が失敗したこと」を蓄えておくための余剰スペースが確保されているって事実を発見したものです。この機能のおかげで、私たちは後で失敗の記憶を糧にできるわけですな。

 

 

これを逆にいうと、失敗をガンガンに溜めていかないことには、自分の改善につながる大事なツールがひとつ使えないことになりますよー、ってことです。そもそもヒトの脳は失敗に適応して働くように進化したので、失敗を前提に動いた方が最終的には脳をフルに使えるわけですね。

 

 

ちなみに、そう思ってても不安が起きるケースはよくあるんですけど、そんなときは「「混乱」や「不安」を感じるのは、勉強が上手く行っている証拠!」と自分に言い聞かせてます(笑)


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。