Loading...

糖尿病薬の「メトホルミン」がダイエットと若返りの秘薬だったりする(かもしれない)件

Tablet

メトホルミンのダイエット効果とアンチエイジング効果に関するご質問をいただきました。


糖尿病薬のメトグルコ250mgを飲めば痩せられると聞きました。他にも寿命を伸ばす効果があるとか? 糖尿病でも何でもないのですが気になります。本当でしょうか?

とのこと。メトグルコは「メトホルミン」って糖尿病薬の日本での商品名でして、50年ぐらいの歴史を持つ定番のおクスリであります。


糖尿病への効果に関しては昔から定評があったんですが、ここ数年は「痩せられる!」や「若返る!」といった話も出てきまして、かなり注目されてるんですね。


ダイエット薬としてはそこそこ有望 
では、まずはダイエット効果のほうから見てみましょう。


有名なのは2013年の実験(1)で、肥満体型の参加者154名たちにメトフォルミンを飲んでもらったんですね。全員の血糖値は正常で、糖の代謝には問題はなし。それぞれのBMIによってメトフォルミンの量は調整されております。


すると、6ヶ月後の結果は、


  • 平均で 5.8 ± 7.0 kgぐらいの減量効果が出た
  • もっとも体重が減った参加者は-35kgで、逆に13kg体重が増えた参加者もいた
  • 全体の20%の参加者には減量の効果が見られなかった

といった感じ。個人によるバラつきは大きいものの、ガッツリと減量効果が出る人もいるっぽいですね。というのもメトホルミンには、


  • 脂肪酸の合成をジャマする作用
  • 食欲を減らす作用

の2つがありまして、ダブルでダイエットに役立ってくれるんですな。


もうひとつ、2008年の系統的レビュー(2)もありまして、過去に行われた12件の実験をまとめております。そのうち5件の論文で「メトホルミンで体重が減った!」って結論が出ていて、数字の幅は2.9〜9kgぐらい。


研究者いわく、


糖尿病ではない肥満の若者に対して、メトホルミンは有効なダイエット薬になるかもしれない。しかし、どの実験も参加者の数が少なく、実験デザインも弱いため、その解釈には限界がある。

とのこと。まだまだ効果を断言するには弱いものの、肥満の解消に役立つ可能性は高そうです。




アンチエイジング薬としてもかなり有望
次にアンチエイジング効果について。こちらは2014年にセルメタボリズム(一流の科学誌)が「『若返りの秘薬』トップ4」のひとつに挙げたこともあり、かなり信頼してよいかと思います。


メトホルミンがアンチエイジングに効くのは、AMPキナーゼという筋肉の中にある酵素を活性化するから。これはエクササイズやプチ断食でも活性化する酵素で、細胞内の古いタンパク質を分解してくれるんですね。俗にいう「オートファジー」であります。


もうひとつ興味深いのが2014年の研究(3)で、メトホルミンを飲んでいる糖尿病患者は、メトホルミンを飲まない健常者よりも寿命が長い傾向があるんだとか。すごいですねぇ。


しかしメトホルミンは気軽に買えない。ではどうすれば?
というわけで、ダイエットとアンチエイジングの両面でメトホルミンには効果がありそう。ただし、ご存じのとおりメトホルミンは処方薬なので、糖尿病の方でないと手に入れられないのが難点であります。


いちおう個人輸入でも買えますが、


  • なんせ値段がベラボーに高い
  • 健常者に対しては長期的な安全を確認したデータがない(糖尿病の患者に対しては10年のスパンで安全が確認されている)

といったデメリットがありまして、おすすめしかねるところです。結局、体内での働きはプチ断食HIITに近いんで、こっちを実践したほうが安全で健康的な気も。


また、「プチ断食やHIITはツラいから嫌!」という方にはベルベリン(黄檗)をおすすめしておきます。本来は整腸剤として使われる生薬なんですが、メトホルミンと同じくAMPキナーゼを活性化する作用がありまして(4)、近い働きはしてくれるのではないかと(ダイエットに効くかは不明ですが)。


個人的には、すでにプチ断食HIITをやってるんで購入の予定はありませんけども、努力が嫌いな方は試してみてもいいかも(笑)


Thorne Research, ベルベリン-500

スポンサーリンク

スポンサーリンク

コメントを投稿

  1. 福田一典先生のブログで何か良いがん予防法はないかと探してみました。しかし、野菜と果物、抗酸化サプリ、食物繊維、レスベラトロール、ウコンなどすべて効果が疑わしいか低いようです。(みんな試みていたりするので残念ですが、本当らしいです。)

    結論は、ケトン食、ビタミンD3、メトホルミン、絶食は効く可能性が高い、ということ。(もちろん、禁酒・禁煙、適度な運動、適切な体重の維持、必要な栄養を摂る、歯の健康維持、睡眠などは当然ですが。)

    ケトン食と高容量ビタミンD3の摂取、8時間ダイエットはすでにやっています。残りはメトホルミンです。福田先生のブログでは、何回も繰り返しその効果が述べられていて、効果はほぼ疑いないです。アメリカではつい先ごろ、メトホルミンの寿命延長効果を確かめるコホート研究が始まり話題になりました。

    なんとか安く個人輸入できないかなと思い検索したら、ありました!
    JapanRX.comというところで、ジェネリックのメトホルミンが一錠あたり10円以下で手にはいります。試しに400錠(250mgを1日2回として200日分)買ってみました。送料900円でした。

    食前に250mgで1日2回から試してみるつもりです。(乳酸アシドーシスを防ぐためにビタミンB1とミネラルのサプリもしっかり摂る予定。)

    返信削除
    返信
    1. メトホルミン、海外のアンチエイジング系サイトでもブームですねー。かなり期待は持てそうな感じもしますが、まだ長期研究がないのが悩ましいですね。

      実験結果、楽しみにしています。

      削除
    2. 結果が出るのは5~7年もかかるそうですよ(笑)。私はsuzukiさんと違って若くないし、糖尿病の遺伝子をしっかり授かっているので予防のためにも自分の身体で実験しても損は無いです。suzukiさんはリスクを避けて、もっといい方法が見つかるのを待つほうが得策でしょう。(まあ、5~10年くらいの寿命延長効果はあるかな。)

      乳酸アシドーシスと低血糖は用心しないと怖いです。でも低血糖はあんまり怖くなく絶食療法でも結構下がるけれど30mg/dLくらいでもケトン体のおかげで症状が出ないとか。測定器を持っているのでどのくらい下がるか楽しみ(笑)

      削除
  2. 「メトフォルミンは血糖低下効果のある短鎖脂肪酸(酪酸やプロピオン酸など)を産生する腸内細菌を増加させる。」
    という論文が2015年12月のNatureに出ているそうです。これは水溶性食物繊維と同じ効果です。次のブログに詳しい情報があります。

    内科医のノート (Diabetologistnote) メトフォルミンと腸内細菌
    http://diabetologistnote.blog119.fc2.com/blog-entry-620.html

    なお、乳酸アシドーシスの起こる頻度は1万人に1人以下で、実はメトホルミンを飲んでいない人もほぼ同じだそうです。(「ええ!ウソだろう?」と思う話。)次のページに興味深い解説があります。

    メトホルミンと乳酸アシドーシスは関連がない?| 医療界 常識の非常識
    https://www.medi-gate.jp/common_sense/2015/10/

    メトホルミンは多くの研究がなされていて医薬品としては安全性が高いと言えそうです。

    返信削除
    返信
    1. おー、その論文は知りませんでした。短鎖脂肪酸とも関わってたのかー。凄い!良い情報をありがとうございます!

      確かにメトホルミンは歴史が長い薬ですし、安全性は高そうですよね。どんどん使ってみたくなってきました(笑)

      削除
  3. 【メトホルミンと糖尿病に関する2つの話題】

    1. メトホルミンに糖尿病の予防効果があることが報告され確実とされるようになったのに、日本より先進的な糖尿病治療をおこなっているアメリカですら、予防のために対象者(糖尿病予備群)に処方される率が3.7%にすぎない、という話。米国の研究グループの問題提起。

    「糖尿病になる前に使いたい糖尿病薬」、予防向けメトホルミンを邪魔する3つのハードル|welq [ウェルク]
    https://welq.jp/11690

    2. 糖尿病の発症メカニズムの新説を裏付ける研究論文

    詳しくは次のブログのページを見てほしいですが、要するにインスリンを出すβ細胞が死滅するのではなく脱分化というメカニズムでグルカゴンを出すα細胞に「変身」していくということ。原因はFOXO1が抑制されることらしい。(メトホルミンはFOXOを活性化する働きがあるので予防効果があるのかな?)

    膵臓のβ細胞の脱分化と糖尿病の発症メカニズム:石原藤樹のブログ(元六号通り診療所所長のブログ)
    (直リンクしませんので石原先生のブログの2016年3月11日の記事を検索してください)


    結局、私も含めて糖尿病予備群の人はメトホルミンを個人輸入して服用するのが良さそう。(お腹の具合が悪くなるときは食後に飲み、ビタミンB群のサプリは摂ったほうが良い。腎臓が悪くないかを事前にチェックして悪い場合はやめる。)

    返信削除
    返信
    1. なるほどなるほど。勉強になります。確かにメトホルミンを予防で飲むケースは、あんま聞かないですもんね。

      削除
  4. こんばんは。乳酸アシドーシスに関して良い情報がありました。

    「メトホルミンを飲むときに乳酸の蓄積が心配な場合には、...L-カルノシンを一緒に飲むことで、乳酸の合成を抑えてくれます」

    第912回 糖化抑制の素材 アミノグアニジン : 臨床栄養士のひとり言
    http://nutmed.exblog.jp/11972269/

    とのこと。

    カルノシンは、イミダゾールジペプチドのひとつで疲労抑制効果がテレビで報道され、アンチエイジング効果が期待されています。(suzukiさんの2014年8月26日の記事も読ませていただきました。)

    このペプチドが鶏のむね肉に多く含まれていることはずっと前から知っていました。低温調理器(真空調理器 ANOVA Precision Sous Vide Immersion Circulator)で3~4枚のむね肉を一度に調理し冷凍保存し毎日150g程度食べています。鶏のむね肉は安く65℃1時間程度で調理すると柔らかいピンク色の鶏ハムになります。(カルノシンは200mg以上摂取しているはず。)

    メトホルミンは飲み始めてまだ4日目なのであまり効果を感じませんが、食後の血糖値が多少抑制され、少し早く空腹になるかな、という印象。(本当にAGEsの抑制とかの良い作用があるのかな?)

    返信削除
  5. メトフォルミンを飲んでいる匿名さん。その後はどうですか?

    返信削除

ホーム item

mail magazine

パレオな男 メルマガ登録
メアド:
名前:

ABOUT

自分の写真

40才のプロパレオダイエッター/編集者/ライター/NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。

serialization

hbol

RECENTLY READ BOOKS