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緑茶と一緒に食べちゃいけないものと食べたほうがいいもの

Tea

 

緑茶の飲み合わせに関するご質問をいただきました。

 

パレオな男さんの緑茶の記事を読んで、積極的に緑茶を飲むようにしています。

しかし、最近、緑茶に関する記事を読んでいると、お茶のカテキンがミネラルやタンパク質の吸収を阻害するということでした。お茶の飲み合わせについてはどうお考えでしょうか?ご意見を聞きたいです。

 

とのこと。確かに、緑茶にはいろんな消化酵素をブロックする作用がありまして、特に鉄分の吸収をさまたげる効果がよく知られております。それぞれをくわしく見てみましょうー。

 

 

緑茶と鉄分

もっとも有名な緑茶のデメリットが鉄分のブロック作用。カテキン(特にEGCG)には鉄分の取り込みをジャマする働きがありまして、ヘム鉄でも非ヘム鉄でも同じ現象が起こります(1,2)。

 

 

2005年の論文(3)によると、

 

  • 150mgのカテキンで鉄分の吸収率は14%減
  • 300mgのカテキンで鉄分の吸収率は27%減

 

といった感じ。市販の緑茶(500ml)には約200mgのカテキンが入ってますんで、これを飲んだ場合は、鉄分の摂取量を意識して2割ぐらいは増やしたほうがいい感じですかね。

 

 

対策としては、緑茶といっしょにビタミンCを飲むこと。腸が鉄分を吸収する働きを、ビタミンCが相殺してくれるとのデータが出ております(4)。

 

 

ちなみに、わたしはかつて1日に4リットルの緑茶を飲む実験をしたことがあるんですが、1カ月ほど続けたら見事に貧血気味と診断されました(笑) こんなに飲む人は少ないでしょうけど、日本人は鉄分不足な方が多いんでお気をつけください。



 

 

緑茶とタンパク質

もうひとつ有名なのが、緑茶のタンパク質ブロック作用。確かに緑茶にはタンパク質の分解酵素をジャマする働きがありまして(5)、一部には「緑茶は良くない!」といった意見もあったりします。

 

 

ただしヒトの唾液には緑茶のタンパク質ブロック作用をやわらげる効果があるんで、個人的にはまったく心配しておりません(5)。唾液には豊富なタンパク質をふくむペプチドが入ってまして、こいつが緑茶の働きをかなり薄めてくれるみたいなんですね。

 

 

逆に緑茶との相性が良いもの

緑茶はいろんな酵素をジャマするいっぽうで、逆に相性が良い成分も多かったりします。ざっくり並べてみますと、

 

 

といったあたりが代表的。具体的には、魚・タマネギ・ホウレン草などと一緒に緑茶を飲むのが最強!って感じでしょうか。いずれにせよ、緑茶の栄養ブロック作用についてはあんま心配しなくてもいい感じですかねー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。