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冬になると気分が沈む「冬季うつ病」は存在しなかった?

Person 112

この時期になると、よく「冬季うつ」の話題を耳にします。冬はホルモンが乱れて気分が沈みやすいという説で、1980年代から「季節性感情障害(SAD)」などとも呼ばれてたり。

 冬季うつ病を疑う専門家も多い

が、いっぽうでは「冬季うつなんでデタラメだ!」って意見も多かったんですな。冬季うつ病はひとりの精神科医が唱えただけの説にすぎず、実際のデータにはもとづいていないんだ、と。


というわけで、そのへんを改めて調べてくれたのがオーバーン大学の論文(1)であります。34,294人のアメリカ人に季節ごとのメンタルの変化を記録してもらい、明確なパターンが出るかどうかをチェックしたんだそうな。ここまで大規模に季節性感情障害について調べた研究は初であります。



 

 

冬季うつ病の証拠はなかった

で、結論から言えば、「冬季うつの証拠はなし」。ほとんどの人は季節によって気分が変動することはなく、明確なパターンは現れなかったんだそうな。


もちろん、全員の居住環境や日射量(ビタミンDはメンタルへの影響が大きい)も調べたものの、やはりうつ傾向のスコアとは無関係だったとのこと。


冬季うつ病は民間伝承の一種にすぎない ?

研究者いわく、

 

季節の変化でメンタルが悪化するという考え方は、よくできた「民間伝承」のようなものだろう。もちろん、今回の研究だけでは季節性感情障害が存在する可能性を完全には排除できないが、もしあったとして非常にささいな影響しかない。


とのこと。なんでも、これまでの冬季うつ病に関する研究は、「冬になったらうつになりました!」と主張する患者だけを対象にしてたんで、データに大きな偏りがあったらしい。うーん、そうだったのか。


また、いったん「冬季うつ病」のコンセプトが世間に広まると、ちょっとの不調でも「冬季うつだ!」と思い込む者が激増。そのくり返しで、どんどん冬季うつ病が既成事実になっていったみたい。ありそうな話ですなぁ。


もちろん、まだ冬季うつ病がないと決まったわけじゃないものの、季節とメンタルには関係がない可能性も大。思い込みが激しい方はご注意ください。

 

 

2016/02/29追記:

コメント欄でご指摘をいただいたとおり、本論文は様々な限界を持っております。

 

 

なんせアンケートをもとにしたデータなので、参加者が本当のことを言ってない可能性もありますし、そもそも冬季うつ病の人はアンケートに答えなかったかもしれませんからね。あくまで「冬季うつ病がない可能性がある」って話です。

 

 

ただし、従来の冬季うつ研究に不備があったのは間違いないですし、「気圧の変化や日射量の変化とうつ症状に相関関係が見られなかった」というのも本論のおもしろいところ。このあたりは、ちょっと気にしておくと良さそうではあります。


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  1. 気圧の変化で体に不調をきたす人もいるんですから国によって異なるとも思いますがね。
    あと論文のリンク抜けてますよ。

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    1. 修正しましたー。ありがとうございます!

      削除
  2. 「冬になると精神疾患になる」のではなく
    気圧の変化や寒暖差で自律神経が狂い、付随して鬱症状が現れるのではないでしょうか。

    なんにせよ、論文ひとつとって「絶対あり得ない」と宣言するのは危ういと思います。
    面白いブログだけに今回の記事は残念です。

    返信削除
    返信
    1. おっしゃるとおりです。ちょっとウケ狙いで断定しすぎました。気をつけます!

      削除

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