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「なんとなく」の直感のほうが、分析的な結論よりも正しいことが多い理由

Idea 

ひらめきの正答率は非常に高い!」っていうおもしろい論文(1)が出ておりました。

 

 

これは「創造性を高める7つのポイント」で紹介したジョン・キャニオス博士の実験。まずは、およそ100名の学生たちに、言語的なパズルと視覚的なパズルを120問ほど解いてもらったらしい。

 

 

言語的なパズルってのは、

 

  • 「リスト」「ホール」「バス」に共通する言葉は?
  • 「センター」「ソフト」「セット」に共通する言葉は?

 

みたいなやつ。視覚的なパズルは、

 

これはなんの絵でしょうか?

JohnJayScrambled1

 

 みたいなやつ。それぞれ考える時間は15秒だけで、クイズを解いた参加者は、

 

  • 論理的に考えたか?
  • 直感でひらめいたか?

 

を答えてもらったそうな。



 

 

その結果はといいますと、

 

  • 言語的な問題の場合
    • 論理で答えたときの正答率は78.3%
    • 直感で答えたときは93.7%
  • 視覚的な問題の場合
    • 論理で答えたときの正答率は63.2%
    • 直感で答えたときは78.5%

 

みたいな感じだったらしい。どちらも直感のほうが勝ってますねー。

 

 

研究者いわく、

 

もしあなたが心の底から「間違いない!」と思えるひらめきを得たら、そのアイデアをマジメに取り扱ったほうがよさそうだ。これは、個人的な問題を解く場合でも、仕事上の重要な決断が必要なシチュエーションでも同じだ。

 

もちろん、直感はつねに正しいわけではない。しかし、分析的に考えた解決策よりも、正解率が高まる可能性があるのだ。

 

とのこと。直感が分析よりも上になる理由はまだ不明ですが、ひとつには「プライミング」の問題がありそう。例えば、

 

  1. 「リスト」「ホール」「バス」に共通する言葉を探そうとする
  2. 分析的に考える場合、まずは「リスト」にくっつく言葉を端から出そうとする
  3. リストバンド、リストアップなどの言葉が頭に浮かぶ
  4. バンドやアップといった不正解の言葉が頭に残ってしまう
  5. 正しい問題にたどり着きにくくなる

 

みたいな流れです。分析的に考えると、頭に思考のノイズが残っちゃうわけですね。

 

 

わたしも、アラフォーになってからだいぶ直感に頼るようになってきましたが(大ざっぱになってきたともいう)、そんなに悪いことでもないのかもですな。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。