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腸内細菌が死ぬと、無気力で何もやる気がなくなってしまうのはなぜか?

Lethargy

 

腸内細菌が死ぬとメンタルがやられる!って話を何度か書いております。腸と脳は神経をとおしてつながってまして、頭の働きにも悪い影響をあたえるんですね。

 

 

腸内細菌が死ぬ→甲状腺に大ダメージ →無気力!

が、ほかにも腸内細菌が死ぬと甲状腺にも大ダメージがありまして、下手すると何のやる気も出ない状態になったりするんですな。そのへんを知らないと、気づかぬまに人生の質がガクンと下がっちゃったりしますんで、ちょっと押さえておくといいかも。

 

 

そもそも甲状腺は、T3という超重要なホルモンを分泌する器官。これは全身のエネルギー代謝に関わるホルモンでして、甲状腺がやられると妙に無気力になったりするんですな。

 

 

特に女性は甲状腺に異常が出やすくて、ちゃんと寝たのに疲れが取れない!とか、やたらと寒い!とか、ひたすら眠い!といった場合は、T3ホルモンに影響が出ている可能性もあったり。ほかにもスーパー糖質制限をやり続けた場合にも、甲状腺に悪影響が出やすいことが知られております。

 

 

 

 



 

 

腸内細菌が死ぬ→全身に毒素が回る→甲状腺がやられる!

で、ここ数年で腸内細菌と甲状腺の研究はだいぶ進んできまして、たとえば2014年に大連医科大学が行った調査(1)によれば、甲状腺機能亢進症の人は普通より乳酸菌やビフィズス菌の量が少なかったとか。なんで腸内細菌が甲状腺に影響をあたえるかと言いますと、

 

  • 必要なミネラルが吸収されなくなる:腸内細菌が死んで腸に炎症が起こると、甲状腺の働きに必要なセレニウムやヨウ素の吸収がブロックされちゃう(2)
  • 毒素が甲状腺ホルモンをジャマする:腸内細菌が死ぬとリーキーガットが起きまして、リポ多糖類という毒素が血管に侵入。こいつがT3ホルモンを作る酵素の働きをジャマするんですな(3)
  • 腸内でT3ホルモンができない:実は甲状腺ホルモンのおよそ20%は、腸内細菌がT3ホルモンに変換しております。が、腸内細菌がいないと、当然ながらT3ホルモンも減っちゃうことに

 

みたいな感じ。いろんな経路で腸内細菌は甲状腺と関わってるわけですね。

 

 

まとめ

といっても、残念ながら腸内細菌と甲状腺の研究は驚くほど少ないため、「こうすればOK!」ってガイドラインを示しづらいのが悩ましいところ。いちおうのデータとしては、

 

  • 乳酸菌のサプリを飲んだら血中の甲状腺ホルモン濃度があがった(4)
  • プレバイオティクスで甲状腺の働きが良くなった(5)

 

って結果は出てますんで、「微生物と上手くやっていこう」の方針を守るのが一番かとは思います。

 

 

いずれにせよ、わたしもかつて無理なダイエットで甲状腺を痛めたことがありますが、あれは本当にツラいです。甲状腺のせいでムダにテンションが下がるのは人生の損失なんで、ぜひ注意してくださいませー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。