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アスリート向けの快眠アドバイスが、一般人にも激しく使える件

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 運動のストレスで逆に眠れなくなっちゃう問題

アスリートがグッスリ眠るための栄養アドバイス」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。過去に出た「アスリートと睡眠」に関するデータをまとめたレビュー論文であります。

 

 

というのも、運動量が多いアスリートは身体のストレスが多いせいで、よく眠れないケースが多いんですね。もちろん適度な運動は睡眠を改善してくれるんですが、運動量が多すぎるとストレスホルモンが脳を覚醒させちゃうんですね。なので、アスリートじゃなくても、極度のランニング好きが眠れなくなってしまうケースも意外と多め。

 

 

なので、日ごろの運動量が多い人ほど、栄養のバランスなどに気を配って睡眠の質を高めてやるのが大事。そのためにはどうすればいいのかを詳しく調べてくれたのが、本論文のミソということになります。たんに「なんか夜眠れない!」ってぐらいの方にも参考になるはず。

 



 

 

 

 

 

睡眠不足で筋肉の合成スピードも下がる

で、まずは結論部を引用すると、

 

睡眠不足により、糖の代謝や神経内分泌の機能、食欲、カロリー摂取量、タンパク質の合成スピードなどが変わる。これらの問題により、アスリートの栄養レベルや代謝、ホルモンに悪影響が出る。

 

とのこと。睡眠不足でホルモンから筋肉の合成スピードまで変わっちゃうので、適切な栄養の補給が欠かせないんだ、と。

 

 

睡眠不足で筋肉の合成スピードも下がる

では、過去のデータを調べた結果、どんな具体的なアドバイスが得られたかというと、

 

  • 白米やジャガイモのような高GI値の食品には、睡眠の質を深める効果がありえる。しかし、高GIの食品は、ベッドに入る1時間前よりもっと前に食べる必要がある
  • 炭水化物の多い食事には、必要な睡眠時間を短くする働きがありそう
  • タンパク質の多い食事には、睡眠の質を上げる働きがありそう
  • 脂肪が多い食事は、睡眠の質を下げるので控えたほうがよい
  • カロリー摂取量が下がるほど、睡眠の質は下がっていく
  • 1日1gのトリプトファンで睡眠の時間と質が改善するかも。同量のトリプトファンを食事から得るには、300gの鶏肉か200gのパンプキンシードを食べればOK
  • メラトニンサプリやメラトニンをふくむ食品(ケールや白米など)は、寝付きを良くする効果がある
  • 主観的な睡眠の質はバレリアンで改善する可能性がある

 

 みたいな感じ。当ブログでおなじみなサプリのほか、炭水化物とタンパク質はちゃんと摂ろう!ってあたりが強調されておりました。糖質とタンパク質が少ない食事は一気にストレスホルモンの分泌を上げてしまうんで、どうしても睡眠の質が下がっちゃうんですよね。

 

 

ちなみに、近年では「夜に炭水化物を多く摂ったほうが痩せる」って話もありますんで、睡眠の質と体型キープのためにも、米やイモ類は夜半に食べたほうがよさげですねー。

 

 

 
 

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。