具体的にどこまで太ると脳にダメージがあるのか?問題
どこまで太ると脳にダメージが出るのか
ちょっと前に「体が引き締まったアラフォーは脳がデカい」なんて話を書いたとおり、体重が増えれば増えるほど脳に炎症が起こり、知能が低下していく傾向があるわけです。つまり、頭を良くするためにも適度な体重の管理は必須。
で、新しく出た論文(1)では、具体的にどこまで太ると頭が悪くなるの?ってってあたりを数字で示していて参考になります。
肥満になると痴呆症のリスクは66%も上がる
これはロンドン大学の研究で、130万人のデータを分析したもの。「太ると脳ってどうなるの?」って問題について調べた39件の過去データをまとめた内容になっております。いわゆる「観察研究の系統的レビュー」ってやつでして、なかなか信頼性が高くていいですねー。
サンプルはおもにアメリカ、イギリス、フランスの男女で、みんな脳の働きが健康な人だけをチョイス。そのうえで、全員の体重と身長を計測し、38年の経過をチェックしております。壮大な研究ですな。
そこで出てきた内容をざっくりまとめると、
- 38年のあいだに6,894人に痴呆症の兆候が現れ、BMIの高さと関係があった
- 身長170センチの人が理想体重より14.5kg太ると、痴呆リスクは16〜33%に上がる
- 肥満の人(BMI30オーバー)は痴呆リスクは66%も上がる
だったそうな。すごーくざっくりした基準としては、標準体重より10kg以上太ったらヤバい!ぐらいに思っていけばいいんじゃないでしょうか。中年太りの人なら、すぐに超えちゃいそうなラインですな。
BMIが高いと20年後の痴呆リスクが激増
研究者いわく、
BMIが高い人ほど痴呆も多い。 これは緯度研究による観察データで何度か確認されている。
その理由には、おもに2つのプロセスが関係している。ひとつめは、体脂肪が多すぎることによる痴呆リスクの悪化。もうひとつは、痴呆の発症による体重の減少だ。
そのため、痴呆が進む人は、実際に痴呆の症状が出る20年前から、BMIが平均よりも高い傾向がある。しかし、いったん痴呆の兆候が明らかになると、健康な人よりもBMIは低くなっていく。
要するに、平均より太った人は20年をかけてジワジワと脳にダメージを蓄積させてるわけですな。こりゃ怖い。
そんなわけで、脳にダメージをあたえないためにも、できるだけ標準体重を超えないようにコントロールし続けるのが吉かと存じます。どうぞよしなに。