自分の筋トレ限界(1RM)を簡単に知る方法はないのか?という実験のお話
「正しく筋トレをするには1RMを知っとくのが超大事!」ってのは常識でしょう。
1RMってのは「1回で挙げられる最大の重量」のことで、筋トレの負荷を決める基準としては一番大事。自分の1RMを把握できれば、「1RMの80%ぐらいの重さでやるぞ!」といった設定もしやすいし、「先月より1RMが上がったぞ!」みたいに成長を実感できますからね。
ただ、1RMを正確に知るのは意外と難しくて、ありがちな例としては、
- 最初はかなりの重さでベンチプレスをやってみたら上がらなかった
- そこで軽い負荷に切り替えたら楽すぎた
- ならばとまた負荷をあげたらまた上がらない
- そのうち筋肉が疲れて、結局1RMがわからない
みたいなパターンです。試行錯誤を続けるうちにワケがわからなくなっちゃう、という。
そこで現在よく使われるが「もっと軽い負荷から推測する」ってやり方です。「ベンチプレスを100kgで8回できたら1RMは125kgぐらいだな…」と考えていく手法で、私もよく使っております。
では、この考え方はどれぐらい正しいのか?ってことで、「ベンチプレスの1RMはどこまで正確に推測できるか?」を調べたデータ(R)が出ておりました。
実験の参加者は大学でアメフトをやってる選手40人で、平均年齢は20.8歳。デザインは非常にシンプルでして、
- みんなにバーベルベンチプレス1RM試験を行なって最大の重要を確認
- 90.9kgのベンチプレス、45.5 kgのダンベルベンチプレス(両手)、45.5 kgのダンベルベンチプレス(片手)を、それぞれ48時間ずつの間隔をあけて1セットを限界まで行う
って指示をしたうえで、すべてのデータをまとめて1RMの予測精度についてチェックしたんだそうな。ダンベルを使ったベンチプレスまで確かめてくれてるのがいいですねー。
結果、1RMとの相関がどうなったかと言いますと、
- バーベルでベンチプレスをした場合=1RMとの相関は0.90
- ダンベルでベンチプレス(両手)をした場合=1RMとの相関は0.87
- ダンベルでベンチプレス(右手)をした場合=1RMとの相関は0.86
- ダンベルでベンチプレス(左手)をした場合=1RMとの相関は0.87
みたいな感じです。ご覧のとおり、どんなパターンのベンチプレスでも結構な相関が出てますね。
続けて、各メニューの平均エラー率(実際の1RMとどれぐらいズレてたか)を見てみると、こんな風になってます。
- バーベルでベンチプレスをした場合=-7.1 kg
- ダンベルでベンチプレス(両手)をした場合=–7.9 kg
- ダンベルでベンチプレス(右手)をした場合=–8.3 kg
- ダンベルでベンチプレス(左手)をした場合=–8.0 kg
まぁこれを見て「なんだよ!こんなにズレてたら使えないよ!」と思う方もいそうですが、個人的には「もちろん誤差もあるけどこれぐらいなら許容範囲だなー」ってとこですね。正確な1RMテストをするめんどくささを考えれば、ダンベルで計測したほうが格段に手軽なんで。
あと、ベンチプレス以外の種目はどうなんだ?ってのもありますが、いまんとこは他の部位も似た感じでとらえておくのが無難じゃないかと思っております。具体的な1RMとレップ数の対応としては、
- 100%=1回
- 95%=2回
- 93%=3回
- 90%=4回
- 87%=5回
- 85%=6回
- 80%=8回
- 77%=9回
- 75%=10回
- 70%=12回
- 67%=15回
- 65%=18回
- 60%=20回
みたいに考えるのが一般的なんで、なんかもっと良い手法が編み出されるまではこいつを使っとくのが良さげ。