たった2回のトレーニングで不安が激減する「注意訓練」実践ガイド
注意訓練とはなにか?
ちょっと前に「メタ認知療法の効果がすごいかも」みたいな話を書きましたけど、そこでよく使われるのが「注意訓練」ってトレーニング法であります。
その名のとおり、注意の向け方を学ぶトレーニング法でして、その目的は「注意をほどよく散らす」こと。というのも、不安や怒りなどが強い人は、「ネガティブな感情の解消」に注意が向きすぎてるケースがよくあるんですね。
注意が空回りするパターン
どういうことかと言うと、
- ネガティブな感情や思考がわく
- ネガティブの解決に注意が集中する
- 逆にネガティブが増幅
- メンタル悪化!
みたいな感じです。イヤな感情を解決しようと集中しすぎて、バックファイアを起こしちゃうわけですね。
2回のセッションでも効果がある
こうなると客観的な視点もなくなっちゃうんで、わりとネガティブの泥沼にハマりがち。そこを解消するために、注意を意識的に散らす感覚を体に染み込ませていくんですね。
ここ十数年ぐらいは実験データも出ていて、2014年の研究(1)によれば、嫌なことが頭から離れずに困ってる人に2回の注意訓練を行っただけで、「ついついネガティブなことを考えちゃう現象」が格段にやわらいだとか。たった2回でも結構な効果があるみたいですねー。
注意訓練の実践方法
では、どんなトレーニングをするかというと、「周囲の音」を使うパターンがメジャーです。車の音や風の音といった環境音に対して、「選択的注意」→「注意切り替え」→「注意分割」の順番で注意を散らしてくのが基本。
具体的には、
- リラックスしてイスに座って深呼吸
- 選択的注意:適当な環境音(外を走る車の音とか)に6分間ほど集中する
- 注意切り替え:適当な環境音を2つ選び(外を走る車の音+話し声とか)、30秒おきに交互に注意を向け変えるトレーニングを6分間続ける
- 注意分割:2つの環境音へ同時に注意を向け、3分間ほど集中する
って感じです。音を使ったマインドフルネス瞑想に似てますが、あくまで注意の切り替え方を学ぶのが主目的だとお考えください。集中力のトレーニングにも使えそうですけどね。
注意訓練の使い方
現実世界での使い方としては、
- 不安がわいてきた時
- 人前で話す時
- 緊張するような場面
- 嫌な記憶がフラッシュバックしたとき
などに試してみるといい感じ。スピーチ前に緊張してきたようなときは、人前で話す自分ではなく、まわりの物音に注意を散らしてみるわけですね。私のように、イヤなことがあるとつい余裕がなくなっちゃうような人にオススメであります。
ちなみに、「実践! マインドフルネス」って本には注意訓練用の音声CDがついてますんで、こちらを使ってみるのもいいかも。本としても非常に有用なので、読んで損はないです。