筋肉回復の味方!?マグネシウムの効果を徹底解説したレビューの話
「マグネシウム大事!」って話はよく書いていて、
みたいな知見がよく出ております。マグネシウムってのは、筋肉の収縮、エネルギー産生や、神経のコントロールなど、とにかくいろんな働きをしているので、不足したら大変なことになっちゃうんですよ。
ということで、新しい研究(R)では「マグネシウムは運動にどこまで役立つの?」ってあたりを掘り下げてくれていて勉強になりました。スポーツやエクササイズをする際に、マグネシウムを飲むことで何らかのメリットを得られるのか?って問題ですね。
これは、過去のマグネシウム研究をピックアップした系統的レビューで、普段からよく体を動かす人がマグネシウムを摂取したら、運動に何か良い影響があるのかどうかをチェックしたもの。4つの研究をもとに、19~27歳の男女73人のデータを分析してくれております。
全体的には、筋肉痛とパフォーマンスへの影響に焦点を当てたものが多くて、そのうち1件は「マグネシウムでランニングは速くなるか?」「チームスポーツの成績は良くなるか?」といったあたりを調べてくれております。データ数が少ないのでメタ分析はしていないんですが、現時点では最も精度が高い結論を出してくれているんじゃないでしょうか。
では、それぞれのデータをざっくりチェックしてみましょう。
- 22人の男女を対象にした試験では、参加者にベンチプレスを指示して筋肉痛にさせ、その際にマグネシウムグリシン酸塩350mgを飲んでもらった。その結果、マグネシウムを飲んだグループは、それから24、36、48時間後に筋肉痛が軽かった。さらに、マグネシウムを飲んだグループは、筋肉痛からの回復スピードも速かった。
- ふだんあまりマグネシウムを摂取しない9人の男性ランナーに、1日500mgのマグネシウムを7日間連続で摂取してもらったところ、トレッドミルで10kmのランニングをした後の血糖値と筋肉痛が良い感じで改善していた。ちなみに、この実験では、ランニングのタイムが改善したかどうかは報告されていないのが残念。
- 12人のエリートバスケットボール選手を対象にした研究では、午前中にジムで筋トレを2時間→午後にバスケットボールを3時間という激しいトレーニングをしつつ、1日400mgのマグネシウムを摂取してもらった(マグネシウムの種類は謎)。その結果、血中のマグネシウム濃度が高くなるほど、筋肉のダメージを示す指標(クレアチニン、尿素窒素、クレアチンキナーゼなど)が改善した。
- 18人のプロサイクリストを対象にした研究では、全員に21日間の自転車レースに参加してもらいつつ、1日に必要な最低のマグネシウム摂取量を満たすように指示。すると、レースの後も筋肉の回復がスピーディになり、さらには1日に必要な最低のマグネシウム量を超えて飲んだグループは、筋肉のパフォーマンスにも改善が見られた(かなり少なめの改善なので、パフォーマンスアップのために飲むべきかは微妙ですが)。
といった感じで、私としては「マグネシウムは筋肉のダメージ回復に良さそう!ただし、運動のパフォーマンスアップには意味ないかも!」みたいな印象でした。全体的に小規模な実験が多いので、なんとも言いづらいところはあるんですが、筋肉痛にお悩みの方は飲んでみるのもアリでしょうな。
研究チームいわく、
マグネシウムによるメリットを得たい場合、激しい運動をする人は、運動をしない人よりも10~20%多い量を摂取し、トレーニングの2時間前にカプセルで摂取すると良いだろう。
一方で、トレーニングをあまりしない時は、マグネシウムレベルをRDAの範囲内に維持するのが望ましい(だいたい成人で1日に310〜420mgぐらい)。
とのことなので、筋トレの2時間前にマグネシウムのサプリを飲んでみるのは良いんじゃないでしょうか。
ちなみに、どんなものにも副作用はあるもんでして、マグネシウムを飲み過ぎちゃうと、
- 体内のビタミンDが足りなくなってしまう。
- お腹を壊しちゃう。
といった問題が起きやすくなるんでご注意ください。まぁ基本的には、マグネシウムサプリのラベルに書いてある用量を守っておけば、目立った問題は出ないでしょう。