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ダメな性格を変えるために最も重要な要素はこれだ!みたいな研究の話


かつては「性格は一生変わらない!」と言われたもんですが、この考え方は今や昔。現代では、大人になってからもそこそこ性格は変わるって報告が増えてきてるんですよ。もし今自分の性格が嫌いだったとしても、後から変更できる可能性はあるわけで、なかなか希望がある話ですな。

 

直近の研究(R)で慶明大学のモフセン・ジョシャンルー教授も似たような見解を述べていて、

 

近年のパーソナリティ理論は、パーソナリティ特性の動的な側面をますます強調するようになっている。

 

私たちの性格特性は、意図的な努力、個人に合わせた介入、個人的な成長戦略を通じて、積極的に形成・育成できる可鍛性の資質とみなされることが多くなった。

 

とのこと。簡単に言えば、自分の性格が気に入らなかったときは、より理想的なものに作り変えられるって見方が優勢になってきたわけですな。

 

でもって、この研究でジョシャンルー教授が何を主張しているかと言うと、

 

  • 性格を変えるメカニズムには、"目的意識 “の掘り下げが最も重要だ!

 

みたいな感じです。嫌な性格を変えようと思ったら、目的意識をモチベーションにしないと上手くいかないんじゃないの?ってポイントを指摘しているんですな。まぁ目的意識が無いことには、「なりたい自分」になるために必要なアクションも取らないでしょうから、当たり前っちゃ当たり前っすね。

 

ということで、研究チームは「目的意識こそが変化を引き起こすカギなのだ!」という考えを検証するために、「Health and Retirement Study(HRS)」(ミシガン大学が定期的にやってる健康やメンタル調査のデータセット)と呼ばれる調査を使って分析をしております。

 

このデータのなかで、参加者はビッグファイブに基づく性格テストを行って、それぞれがどのようなパーソナリティを持っているかをチェック。加えて、参加者の目的意識を評価するために、「将来の計画を立てて、それを実現するために努力するのが楽しい」みたいな文章にどれだけ賛同するのかも調べたんだそうな。

 

でもって、すべてのデータをひっくるめて分析したところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • 博士の予測どおり、目的意識が高い人ほど、ビッグファイブにおけるすべての性格が時間とともに改善する傾向があった

 

思ったとおり、目的意識が高い人ってのは、その後で性格が望ましい方向に変わっていくみたいっすね。ちなみに、この研究に参加しているのは50歳以上の男女でして、人生の後半戦になっても性格は変えられる可能性が示されたわけですな。実に希望の持てる結論じゃないでしょうか。

 

では、目的意識によって性格を変えるにはどうすればいいのかってことで、ジョシャンルー教授は「Purpose As Trait, Habit, and State (PATHS)」と呼ばれる理論の枠組みを提唱しておられます。PATHSは「目的とは特性、習慣、状態の集まりである」って考え方で、それぞれをこなすことで目的意識がブーストすると考えられるんですよ。

 

といってもわかりづらいので、具体的には以下のように進めていきます。

 

  1. Trait(特性)レベルでのアプローチ:まず、「目的意識」を人生の大きな目標として捉えましょう。具体的には、自分の人生の方向性をハッキリさせるために、将来の自分がどのような人間になりたいかを考え、自分の価値観や長期的な目標を見つめ直し、それに基づいた行動を選んでください。例えば、「他人をもっと受け入れる人になりたい」という目標を設定します。


  2.  Habit(習慣)レベルでのアプローチ:次に、目的意識を日常生活に取り入れるため、習慣の中に小さな変化を組み込みます。行動や考え方が目的に沿っているかを確認するのではなく、小さな意味のある活動を習慣として取り入れることで、目的に向かう力を蓄えていくわけです。

    その際は、毎日何か新しいことや意味のある活動を少しずつ追加してください。新しい趣味を始めたり、以前から興味があったことに挑戦してみたりといった感じですね。例えば、他人に対して批判的な自分を変えたい場合、まずは意識的にその人の良い面を探す習慣を持ち、瞬間的に批判しないような習慣を意識します。


  3. State(状態)レベルでのアプローチ:最後に、目的意識を今の状態を瞬間的に感じることを意識します。日々の行動や経験が自分にとって意味のあるものであるかを考え、その瞬間の体験に対して、「これは自分の成長にどう関わっているか」「どのように自分の目的に関連しているか」を考えてくださいませ。例えば、コミュニケーションの中で「また他人を批判してしまった」という瞬間を捉え、少し考え方を変えてみる努力を続けます。

 

こんな感じで、特性→習慣→状態の順に、目的意識を日常に浸透させていくわけですね。もちろん、このフレームワークを使ったとしても、そう簡単に性格は改善できませんが、地道に進めていくしかないですなー。


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