10秒で脳が活性化!? 脳機能を高める超簡単エクササイズ7選
めっちゃ簡単な運動で子供の脳機能が上がったぞ!って研究(R)が出ておりました。
これは早稲田大学などのチームによるもので、短時間のめっちゃ簡単な運動でも、脳の前頭前皮質への血流を増加させることがわかったというんですな。前頭前皮質は、意思決定や記憶、注意力といった重要な認知機能を司るんで、これはかなり実践的な発見じゃないかと思うわけです。
もちろん、運動で頭が良くなるってのは今や常識なんだけど、これまでの研究のほとんどは、ランニングやスポーツみたいに激しめの運動にしか焦点を当てていないのが難点。みんながハードな運動をできるわけじゃないんで、「簡単な運動で脳の発達が見込めるかも?」ってのは、非常にナイスな知見なんですよ。
研究チームの問題意識としては、「最近の子どもたちは座りがちな生活や運動不足が多いから、軽い強度の運動でも脳血流が変わるのかを調べた方がいいよねー(意訳)」とのこと。そのために、この研究では、日本の小学5年生から中学生までの健康な子供41人を集め、みんなに7種類の軽い運動をしてもらったんだそうな。
具体的に、どんな運動が選ばれたかと言うと、こんな感じです。
- A=アップワード・ストレッチ(両手を組んで上に伸ばす)
- B=ショルダー・ストレッチ(片腕を伸ばし、もう片方の腕で胸の方へ引っ張る)
- C=エルボーサークル(両手の指を肩に当てつつ、ヒジを後ろに大きく回す)
- D=トランクツイスト(上半身をひねる)
- E=ウォッシング・ハンド(両手を合わせて、手のひらや手の甲をこすり合わせる)
- F=親指と小指(指先の器用さの練習。片手の親指を伸ばしたら、もう片方の手は小指を伸ばす。これを左右交互に行う)
- G=片足バランス(両手を腰に当てて、片足で立ってバランスをとる)
いずれの運動も、特別な器具を使わずに簡単に実践できるのが良いですね。バランス運動を除くほとんどの動作は、座ったまま行えるんで、ビジネスマンが仕事の合間の軽い息抜きに使うのも良さそうであります。
この実験では、子どもたちは各運動を10秒〜20秒間ほど行い、その間の脳活動を測定。前頭前野の酸素化ヘモグロビン濃度を計測して、血流の変化を追跡したんだそうな。
その結果がどうだったかと言いますと、
- 一部の静的ストレッチを除くすべての運動で、前頭前皮質への血流が安静時に比べて有意に増加した。この血流増加は、特にワーキングメモリー、注意力、意思決定などの実行機能に関連する領域で、脳の活動が高まっていることを示している。
ということで、こんな簡単な運動でも、脳の血流はちゃんと上がるらしい。手を揉んだり、10~20秒間指を動かしたりするだけでも、前頭前野の血流が思ったよりも増加してまして、個人的には「これは使える!」とか思いました。やっぱ手と脳のつながりって強いんですねえ。
また、脳の活動が最も増加したのは、トランクツイストや片足バランスだったそうで、やっぱ大きな動き高い認知的負荷を伴う運動のほうが良いみたいですね。特に片脚バランスなどの運動は、姿勢を保つために集中力を必要とするので、前頭前皮質の複数の領域で顕著な血流増加が見られたらしい。片足バランスで前頭前野の血流が上がるんなら、休憩時間に試すのはかなりアリでしょう。
さらに、10秒間の運動と20秒間の運動を比べた場合、脳活動の増加に有意差は見られなかったとのこと。これは、ごく短時間の軽い運動でも、脳機能を高めるのに十分である可能性を示してまして、これもちょっとうれしい結果ですね。
もちろん、これは10歳から15歳の子供に焦点を絞った研究なんで、 同じ効果が成人でも観察されるかどうかは不明。また、この研究は、あくまで前頭前皮質への血流量の増加を測定しただけなんで、上記の運動が実際に認知能力の向上につながるかどうかはわからない点もご注意ください。
とはいえ、個人的には、シンプルな運動によって、大人でも前頭前野の脳血流が増える可能性は十分にあると思ってたりはします。認知機能の改善につながるかどうかはさておき、デスクワークや勉強、テレビを見ているときなどに、この研究で採用された運動を実践してみるのは良い息抜きになるんじゃないでしょうか。