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普通の筋トレ好きにとって最適なタンパク質の摂取量とは?

Chiken

筋トレ好きの最適タンパク質量は意外とわかっていない 

筋トレやってる人の最適なタンパク質量は?」って疑問は昔からありますが、実は意外とまだ明確になってない話だったりします。

 

 

たとえばアメリカスポーツ医学会なんかは「活動的な人は1日に体重1kgあたり1.2〜1.4kgのタンパク質を!」って見解(1)だったりしますが、これはあくまで「たまにスポーツをするぐらいの人」が対象。おそらく週3で筋トレをしているような人には不十分でしょう。

 

 

かといって、ガチなボディビルの世界では「筋肉1kgあたり2.3〜3.1gのタンパク質を!」と推奨されてたりして、とてもじゃないけど一般の筋トレ好きには達成できないレベル。これだと食事の大半がタンパク質になっちゃいますからねぇ。

 



IAAOで必要なタンパク質量を調べた

ってところで、近ごろ、私のような「ほどほどの筋トレ野郎」にちょうどいいレベルのタンパク質量を調べてくれた論文(2)が出まして、かなーり参考になりました。

 

 

これはトロント大学の実験で、筋トレ歴が3年以上の学生8人を対象にしたもの。参加者の数が少ないのがちょい残念ですが、この実験の強みは「IAAO」っていう検査法を使ってるところであります。

 

 

IAAOってのは、従来よりも正確に必要なタンパク質の量を割り出せる方法のこと。ここ十数年でメジャーになってきたテクニックなんですけど、まだまだIAAOを使った実験って少ないんですよね。その点で、なかなか貴重なデータではないかと思います。

 

 

0.1〜3.5gのタンパク質で実験

で、実験デザインはこんな感じです。

 

  1. いつものようにトレーニング
  2. 48時間の休憩を置き(この期間は体重1kgあたり1.5gのタンパク質を摂る)
  3. 体重1kgあたり0.1〜3.5gのタンパク質を摂ってIAAOテスト

 

つまり、普段から筋トレをやってる人は、休息日にどれだけのタンパク質を摂るべきかをチェックしたわけですね。

 

 

体重1kgあたり1.7gまでは有効に使われる

さて、結果がどうだっかと言いますと、

 

  • 平均して、体重1kgあたり1.7gまでタンパク質は有効に使われ、それ以降は少しずつ無意味になっていく
  • 95%信頼区間は体重1kgあたり1.2〜2.2gの範囲
  • 体重じゃなくて除脂肪体重を使った場合は1kgあたり2.0〜2.5gの範囲

 

みたいな感じ。この数値にはいろんな解釈がありましょうが、とりあえずは、

 

  • 一般の筋トレ好きは体重1kgあたり1.7〜2.2gを目指そう!

 

ぐたいに考えておけばよさげ。トレーニング日には2.2gぐらい摂って、休息日はもうちょい少なくするイメージでしょうか。

 

 

まとめ

もちろん、これは小規模な実験なんで断言はできないものの、2016年の研究でもほぼ似たような数値が出てたりしますんで、それなりの基準になるんじゃないかと。体重1kgあたり2gぐらいなら、何とか達成できるレベルですしね。

 

 

ちなみに、私の場合だと体重60kgで1日に150gぐらいのタンパク質を摂っていて、筋肉量はいい感じに推移しております。だいたい鶏むね肉550〜600gに卵1〜2個って感じ。

 

 

なかには「腎臓は大丈夫ですか?」と言われることもあるんですけど、2012年のメタ分析を読むと「もとから腎臓病の人には高タンパクはNGだけど、いま腎臓病じゃなければ問題なし」との結論なので、特に心配しておりません。そのへんはWHOも同じ見解っすね(3)。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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