今週の小ネタ:ブランド物と友だち、子供に野菜を食べさせるには?、パーソナリティ障害の改善s
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
ブランド物を持ってると友達ができないぞ!
まずはミシガン大学の研究(1)で、BMWとかロレックスみたいにハイステータスな商品の効果について調べたものです。
たとえばある実験では、被験者に「ウォルマートの平凡なシャツ」と「サックス・フィフス・アベニューの高級シャツ」のどちらかを着てもらい、第三者に「どっちと友だちになりたいですか?」と尋ねたんだそうな。
それで何がわかったかと言えば、
- 被験者の76%は「高級品の方が魅力的に見えるからモテるっしょ」と考えた
- しかし、実際は64%の人が平凡なシャツを着た相手を好んだ
だったそうな。研究者いわく、
多くの人はステータスシンボルが自分の魅力を高め、社会的にも魅力的な存在にしてくれると思いがちだ。しかし今回の実験によれば、ステータスシンボルは社会的な魅力を高めるどころか下げてしまう。
社交のレベルにおいては、私たちは高級品を買うために大金をムダにしているのかもしれない。もちろん、ステータスシンボルは、ビジネスの契約などの場面では役に立つだろうが。
とのこと。まぁ全身をブランドで固めてる人には、ちょっと近づきづらいですもんねぇ。
子供にもっと野菜を食べさせるには?
こちらはコロラド大学の実験(2)で、235人の未就学児童を対象にしております。どんな実験かというと、昼飯どきに全体を2つのグループに分けまして、
- 何も描いてない白い皿で食べる
- 野菜と果物のイラストが描かれた皿で食べる
って感じで3日ほどいつもの食事を続けてもらったらしい。すると、
- イラスト入りの食器を使った子供は、野菜の消費量が36%も増えた!
って結果だったらしい(ただし果物の増加量には有意差なし)。どうもイラストのおかげでテンションが上がって野菜の消費量が増えるらしい。こりゃあ簡単な手法でいいっすなー。
パーソナリティ障害をやわらげるもの、それは「時間」
最後はパーソナリティ障害の研究で有名なマーク・F・レンズンウェガー教授の論文(3)。パーソナリティ障害に悩む240人の男女を対象にしております。
具体的には、全員を4年にわたって追いかけた観察研究になってまして、どんな結果が出たかというと、
近年ではパーソナリティ障害は非常に一般的で、全人口の10人に一人が影響を受けている。しかし、今回の研究によれば、この障害は時間とともに改善していくようだ。
だったそうな。どうやらパーソナリティ障害ってのは時間によって改善する傾向があり、だいたい1.4年ほどに症状が良くなるみたい。この傾向は、なんらかの治療を受けてても受けてなくても確認された、とのこと。
パーソナリティ障害の症状は、時間によって大きな違いが見られる。この研究は、パーソナリティ障害が固定された特性だという考え方を否定するものだ。
パーソナリティ障害というと「一生もの」みたいなイメージもあったけど、実は時間が過ぎるだけでもだいぶ違うんだ、と。これはなかなか希望のある研究でよろしいですなー。