なんでZoom会議はリアル会議より疲れるのか問題
「Zoomの打ち合わせってなんか疲れるなー」と近ごろよく思ってまして、編集者さんと画面越しでしゃべってると、どうにもヘトヘトになったりするんですよ。「これは単に私が人見知りだからなのだろうか?」とか思ってたら、
- Zoomは疲れて当然だ!
みたいな話(R)が出ておりました。これはスタンフォード大学の先生が、コミュニケーションや認知に関する先行研究をベースに、「ビデオ会議ってリアル会議より疲れるのでは?」って仮説を述べた論説になっております。
博士が「Zoom疲れ」の原因に挙げてるのは4つで、以下のような感じ。
1.とにかくアイコンタクトが多い
リアル会議だと資料とかに目を落としても問題ないのに、ビデオ会議は参加者の顔を真正面に見つめなきゃいけない時間が長め。しかも、ビデオ会議に映し出される顔のサイズは、かなり親しい人と会話する際のサイズ感に近いので、
- そんな親しくもない人と、なんでこんな間近で話さねばならないのか……
みたいに脳がプレッシャーを感じちゃうらしい。そもそもアイコンタクトってのは人間の脳への負荷が高いので、脳がずっと生理的な覚醒状態になるのが当たり前なんだと申しておられます。そりゃ疲れますな。
2.自分の顔を見っぱなし問題
ビデオ会議は自分の顔が常に映るんで、「あ、いま自分はこんな風に映ってるんだ……」みたいな自意識が芽生え、やはり認知的な負荷が高くなっちゃう。この状態のことを博士は「オールデイ・ミラー」と呼んでおります。
ずっと自分の顔を見てたら相手との会話にも集中できないし、自意識で緊張感が増すだけなんで、ビデオ会議では自分の顔は切っておけ、とのこと。私もZoomは自分の顔画面をカットした状態で使っております。
3.体を動かせない問題
Zoom会議ではずっと自分の顔を画面に映さなきゃいけないので、軽くストレッチをしたり、動き回ったりすることはできないことが多め。しかし、リアル会議では、定期的に首や方を回してみたり、ペン回しをしたりといった動作が緊張感をほぐし、良い発想につながっていることも多かったりするんですよ。
この問題をどうにかするには、定期的に立ち上がったりして、いろいろ体を動かす工夫をした方が良いとのこと。私もZoom会議の時は座りっぱなしが多いので、今後はステッパーをふみながらやるか……。
4.情報が足りない問題
Zoom会議だと、どうしても相手の表情、うなずき、目線などがわかりづらいので、対人コミュニケーションに必要な情報が得られなくなっちゃう。リアル会議だと同僚の視線とかで賛意がなんとなくわかるもんですが、Zoomだと何気なく横を見ただけでも「否定された!」みたいな印象を受けがちなんですよね。これもまた、ビデオ会議が脳に負担をかける一因になっております。
ってことで大きく4つの原因を見てみましたが、やっぱビデオ会議の利便性は捨て難いので、「Zoomは脳への負荷が高い!」って前提でやりくりしていくしかないんでしょうなぁ。とりあえず私の場合は、
- 参加者の画面を小さいサイズに固定して、脳がムダに覚醒しないようにする
- 自分の画面は絶対に表示させない
- ステッパーをふみながら参加する
といったあたりは自衛策として使っていこうかと思った次第です。