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ボディメイクお役立ちデータいろいろ:アダプトゲンで体型改善? 肉体労働のメリットとは? 食生活の改善に役立つ運動とは? エクササイズと生理周期は同期させるべきか?

 

「過去に類似の話を紹介したけど、さらに追試で効果が確認されたので無視するのももったいないケース」をまとめて取り上げてみる」シリーズです。今回は「ボディメイクに役立ちそうなデータ」を4つほど、すごーくざっくりとまとめてお送りしまーす。

 

 

アダプトゲンで体組成と運動能力は向上するか?

アダプトゲンってのはストレスに効くハーブの総称で、このブログですと「ロディオラ」や「アシュワガンダ」などをよく取り上げてますね。

 

 

で、これらのアダプトゲンは「ストレスだけでなく運動やボディメイクにも使えるのでは?」って話がありまして、そこらへんを調べたデータ(R)が出ておりました。どんな実験だったかと言いますと、

 

  1. 21 人の男性を集めて、筋トレとHIITで構成される 14 週間のトレーニング プログラムを指示

  2. 全体の半分のグループにアダプトゲンサプリを飲んでもらい、残りにはプラセボを飲んでもらう

 

って感じ。ここで使われたアダプトゲンサプリには、冬虫夏草、アシュワガンダ、緑茶エキス、ロディオラ ロゼア、アストラガルス、クロム、ビタミンB12が含まれてい多そうな。

 

 

でもってどんな結果が出たかと言いますと、

 

  • アダプトゲンを飲んだグループは、プラセボよりも週の筋トレ負荷(総重量×総セット数)が高かった
  • 有酸素運動のパフォーマンス、体組成計、ホルモンの分泌量などには大きな影響がなかった

 

って感じだったそうです。もしかしたら筋トレに役立つのかなーってとこですが、もうちょい様子を見たいぐらいの数字っすね。まぁロディオラ、緑茶、アシュワガンダあたりについては、ストレス解消効果がある程度まで示されてるんで、そっちを目的に飲むならアリだとは思いますが。

 

 

 

身体を動かす仕事に健康メリットまたはデメリットはあるのか?

WHOは「週に少なくとも150分の軽い運度をしようぜ!」と提唱してますが、このガイドラインには、仕事中の活動は考慮されてなかったりします。なので、体を使う仕事をしている人なら、別にわざわざ運動をしなくてもいいのでは?みたいな疑問には適用できないんですよ。

 

 

ってことで新しいアンブレラレビュー(R)では、先行レビューから17件をまとめ、身体を使う仕事と健康メリットの関係を調べてくれておりました。ここにふくまれる研究の総計は158件で、がんの発症率や全死亡リスクなどを評価したそうな。全体的なエビデンスの質は中等度で、まぁまぁ信頼できる感じじゃないでしょうか。

 


結果をざっくりまとめると、以下のとおりです。

 

  • 仕事でよく身体を動かす人は、ほとんどの健康指標を改善していた。特にがんと心血管リスクの改善と相関があった
  • しかし一部の研究では、仕事でよく身体を動かす人は、変形性関節症や精神的不調(うつ病や不安)との相関が出ていた
    • さらに、男性については全死亡リスクの増加も報告されてた

 

ということで基本的に肉体労働は健康に良いみたいなんだけど、一部にデメリットもあるんだろうなーってところです。このデメリットがどこから来るのかは不明ですが、まぁ普通に考えれば、重労働すぎる場合は精神や関節の不調につながるんだろうなぁと思うわけですが。

 

 

 

食生活の改善に役立つ運動は存在するのか?

体重にはカロリー制限が欠かせませんが、「運動を増やすと体型改善しやすい!」なんてデータも多かったりします。運動のカロリー消費量は決して多くないものの、「エクササイズをはじめると健康的な食生活が促進される!」って傾向が結構あるんですよ。要するに、運動をすることで健康意識が高まり、自然と食生活の改善につながりやすいって話ですな。

 

 

ってことで新しいデータでは、「体重の維持に適した運動はどれだ?」ってポイントを調べておりました(R)。数ある運動の中で、食事の改善につながりやすいものはあるのか?って疑問ですね。

 

 

具体的にどんなテストだったかと言いますと、

 

  1. 18 歳から 52 歳までの男女 162 人に 30% のカロリー制限を指示する

  2. 全体を4つのグループに分けて、それぞれ筋トレ、有酸素運動、筋トレ+有酸素運動、好きな運動のどれかに割り当てる

  3. 24週間後の体重、体脂肪率、モチベーション、食習慣の変化をみる

 

 みたいになっております。すると、

 

  • ダイエットの効果についてはグループ間で違いはなかった(みんな同じぐらい体脂肪率が改善していた)

  • 運動への意欲やダイエットのモチベーションにもグループ間で違いはなかった
  • みんな同じように食事の習慣が改善していた

 

だったそうで、要するに「どんなタイプの運動でもポジティブな食生活の変化をサポートする!」って結論っすね。とりあえず、食生活の改善のためにも運動は大事ですよーってことで。

 

 

 

エクササイズと生理周期は同期させるべきか?問題

「女性は生理周期に沿ってエクササイズすべし!」みたいな考え方が昔からあるんですよ。女性ホルモンの変動は運動パフォーマンスに影響を与えるので、それに従った方が効率が上がるって考え方ですな。

 

 

ただ、このアドバイスが正しいのかはよくわかってなかったんで、ノーザンブリア大学などのチームがメタ分析(R)をしてくれておりました。

 

 

これは78の先行研究(参加者1193人)をまとめたもので、正常な月経周期を持つ健康な女性を対象に、生理周期と運動パフォーマンスの変化をチェック。全体的なデータの質はそこそこで、わりと良い結論が出てるかと思われます(ただ研究間のばらつきが多いですが)。

 

 

分析の結果、何が分かったかと言いますと、

 

  • 卵胞期初期では、他のすべての期(特に卵胞期後期)と比較して運動パフォーマンスがわずかに低下していた

 

って感じだったそうです。ただし、全体的に見ればすべての違いはごくわずかなんで、個人的には「別に生理周期によってエクササイズにこだわらなくても良さそうだなーってとこですね。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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