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マインドフルネス瞑想トラブルシューティングガイド#1「瞑想が退屈でしかたありません……」


 

「マインドフルネス瞑想」に関するご質問を定期的にいただくので、ここでまとめておこうと思いまーす。もちろん、私も別に瞑想の達人ってわけでもないので、ここ10年ぐらいの実践で感じたことをベースに、「だいたいこうすりゃいいんじゃないの?」ぐらいのアドバイスができればと。

 

ちなみに、瞑想に関するご質問は、わりと内容が被っていることが多いので、似たものはひとまとめにしてお答えしていきますんで。そこらへんはご容赦ください。

 

 

Q. 瞑想が退屈すぎて「時間の無駄だ」という考えが浮かんで困るんですが……

これは瞑想についてよく言われるお悩みですね。まぁ人間は「何もしない」って作業に慣れていないので、そんな思いに囚われるのも当然ではありましょう。かくいう私も、いまだに瞑想は退屈ですからね。

 

ただ、それで瞑想が途切れたらもったいないので、私がよくやってる対策をいくつか並べてみます。

 

  1. 退屈を瞑想の対象にする:退屈が生まれたら、そこから出てくる思考や感情、身体の変化に意識を向ける方法。「『こんなことをして何になる?』と、今思ったぞ」「『いつ終わるんだ?』と今思ったぞ」「退屈になるとまぶたのちょっと上あたりに力が入らない感じになるな…」「退屈すると背骨の周囲のリラックス感が強いな」って感じですかね。私の場合は、このやり方が一番性に合ってるようなので、こいつをよく使っております。

    その他にも、瞑想中の自分を観察している第三者の視点を思い浮かべて、「あー、退屈ってのはこんな感じか−」みたいに退屈感をながめてみるのもよくやるパターンっすね。



  2. マインドフルに動いてみる:それでも退屈が辛いなら、いったん座った瞑想を打ち切り、何らかの動きをともなう瞑想(マインドフル・ウォーキングやヨガなど)に切り替えても構いません。この他にも、自分の身体に意識を向けたままストレッチをしてみよし、太極拳をするもよしで、新しい刺激を加えてみても問題ありません。とにかく大事なのは、マインドフルな状態を保つことなので、そこさえ守っていれば動きを加えてもOKであります。


  3. ルーチンを変える:どんなことでも毎日やってたら飽きるんで、いろいろと手を加えてもらっても全く問題ありません。たとえば、


    ・毎回違う瞑想法を選ぶ。
    ・瞑想の仲間を見つける。
    ・新しい瞑想アプリを試す。
    ・瞑想する時間帯を変える。
    ・細切れマインドフルネス(決まった時間に瞑想するんじゃなくて、仕事中とかに「いまから30秒だけマインドフルネスだ!」と決めて、細切れに瞑想してみるやり方)
    ・マインドフルネス瞑想の先生を探してみる。

    といったあたりが考えられましょう。まぁ厳しい人だと「瞑想はつねに同じ条件でやるべし!」と言う人もおられるんですけど、私は別にいいんじゃない?ぐらいに考えてます。

 

 

Q.瞑想中の眠気がすごくて困るんですが……

これもよく耳にする質問っすね。確かに、瞑想中に眠りたくなるのは普通のことですが、「瞑想」と「まどろみ」は意識の状態がまったく異なるので、できるだけ避けたいところです。「瞑想」は意識を高める行為で、「睡眠」は意識の水準を下げる行為ですからね(ちなみに、日常の通常の意識は、睡眠と瞑想の間にある)。

 

ってことで、この問題につきましては、以下をやるのがいいかなと思っております。

 

  1. 朝に瞑想する:十分な睡眠をとったあとで瞑想をすれば、さすがに眠気も起きづらいんで。ただし、これについては、朝の方が注意力が高い人もいれば、夕方の方が注意力が高い人もいるので、自分に合った時間帯を見つけるために、いろいろ試してみてください。


  2. 目をかっぴらく:瞑想中に目を開けるか閉じるかは個人の好みでして、ガンガンに目を開けた方が眠気が出にくいなら、そのままやっていただきて構いません。私も完全に目を閉じるよりは半眼ぐらいでやるほうが意識が保てるので、こっちでやっております。


  3. 眠気を瞑想の対象にする:これは、上記の「退屈を瞑想の対象にする」のと同じやり方です。睡眠によって起きた体の変化に対して、「体のどこが一番眠気が出ているんだろう?」と考えてみるわけですね。


  4. いっそ寝ちゃう:あえて就寝前に瞑想を行って、眠くなったらそのまま寝ちゃうのも手です。本格的に寝始めたからと言って、それまでに行った瞑想の意義が消えるわけでもないですからね。というか、瞑想は睡眠を改善してくれる可能性が高いですし、「俺はよく眠るために瞑想をするのだ!」と割り切るのも手でしょう。

 

 

Q.呼吸をしていると不快になるんですが……

瞑想は呼吸に集中するケースが多いんですが、そのせいで不快感を覚える人も少なくないんですよね。これは、無意識のうちに呼吸をコントロールしようと試みるせいで起きる現象で、人によって呼吸がぎこちなくなったり、過呼吸やめまいが起こることもあるので注意したいところです。

 

が、マインドフルネス瞑想ってのは、呼吸はコントロールせずに、呼吸を観察するのが大きなポイント。もし呼吸が不快に感じられたら、以下の方法で対処してくださいませ。

 

  1. 入ってくる息よりも、出ていく息にもう少し集中する:入ってくる息に意識を向けると、緊張感が高まって呼吸が固くなりがちなので、息を吐くときにだけ集中してみるのも吉。息を吐ききったら、あとは体が勝手に息を吸ってくれるはずなんで、そのときは自然の摂理にまかせてみてください。


  2. 鼻から吸って口から吐く:呼吸がぎこちなくなったら、鼻から吸って口から吐く作業を意識的に5回から10回繰り返しましょう。そうすることで、呼吸が自動的になりやすく、力を抜いて息ができるようになりますんで。


  3. 瞑想を終えれば成功と考える:呼吸がうまくできなくなる人の中には、「正しい方法で瞑想を行わなければならない!」や「リラックスしなければ!」「心をクリアにしなければ!」といったように、事前の思い込みが激しいケースもよく見られます。これだと肩に力が入っちゃうのが当然なので、「とにかく10分座っていられればOK」ぐらいの考ええ臨んでください。私の場合も、もはや瞑想に何も期待せず、「まぁいつもやってるから座っとくか」ぐらいの気分でやってます。

 

 

続く

ってことで、いろいろ書いてたら長くなったので、続きは次回に回します。ではまた。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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