数分でメンタルを激しく改善する「3分間ブリージング・スペース」「ベアフット瞑想」のやり方とか
こないだ瞑想のトラブルシューティングを書いたところ、「もっと瞑想のバリエーションを紹介してみると役立ちそうだな……」と思ったので、わりと手軽にできそうな瞑想法を2つほど紹介しておきます。「座ってじっとしてるだけの瞑想は飽きた!」とか「20分間も横になってボディスキャンなんかやっとれん!」という方は、手持ちツールのひとつに入れてみてください。
3分間ブリージング・スペース
「3分間ブリージング・スペース」は、マインドフルネス研究の泰斗であるジョン・カバット・ジン先生が提唱する方法です(R)。文字どおり3分間で1セットが終わるので、マインドフルネスを日常生活に取り入れやすくて良いんじゃないでしょうか。
エクササイズは3つのセクションで構成されてまして、各セクションに1分ずつかけてください。
- 自覚:ちょっとだけジャマされない場所でリラックスして座り、まずは、自分に問いかけてみましょう。「今の自分は、どんな思考、感情、身体の感覚を体験しているのだろうか?」と考えて、自分の内なる知覚に注意を向けていきます。
その時は、「自己批判的な考えがある」とか「アゴが緊張している」みたいに、いまこの瞬間に感じていることを、自分の経験を言葉で表現してみてください。なんかネガティブな感情や思考が沸いても、とりあえずそのまま言語にしてみてくださいませ。 - 呼吸:続いて、1分だけ、呼吸に全神経を集中させる。
- 注意の拡大:最後の1分では、注意を体の他の部分へと広げていきます。「呼吸が全身をどのように動かすか?」と考えて、息を吸うたびに、身体が少しずつ膨らんでいくところとか、息を吐くたびに身体が少しずつ縮んでいくのを感じます。
ってことで、「3分間ブリージング・スペース」は以上です。最初のステップで「自分はどうなのか?」と考えることで習慣的なパターンを裁ち切り、続くステップで注意を一点に集中させさせ、最後のステップでは注意を身体全体に向けて、注意の筋肉を鍛えていくわけですな。
ちなみに、この練習をしていると、特定の思考や感情に注意が散っちゃうかもしれないんですが、その時は、通常の瞑想と同じように呼吸や身体に注意を戻してくださいませ。
ベアフット瞑想
瞑想をやっててよくある悩みに、「怒りが凄すぎて瞑想が続かない!」みたいなのがあります。瞑想をやってたら過去のネガティブな記憶がどんどん沸いてきて、そのせいで怒りに流されちゃうようなパターンっすね。
これもよくある問題ですが、そんな時は、この「ベアフット瞑想」を使ってみるのも手です。この手法は、怒りや攻撃的な反応を減らすためにデザインされたもので(R)、実際に似たようなトレーニングを行った人たちは、感情のコントロールがうまくなる傾向が見られたそうな。
ってことで、ネガティブな感情に悩まされがちな方は、以下のステップでトレーニングをどうぞ。
- 裸足になり、足の裏を床につけて座り、リラックスする(立ったままでもOK)。
- 何か強い怒りを感じた時のことを思い出し、その時の状況をできるだけリアルに再現してみる(相手の言葉の内容とか、その時の表情とか)
- 自分のなかに怒りの感情や怒りの思考が生じたら、その思考/感情を押さえつけようとはせずに、心拍数の増加、呼吸数の増加、顎、首、肩の緊張など、身体的な変化に意識をむける。
- 足の裏に意識を移し、ゆっくりと足の指を動かし、足の裏に当たる床の感触に集中する。床やカーペットの感触を足の裏で感じる。
- 自然な呼吸を続け、気持ちが落ち着くまで足の裏に意識を集中させる。
- 以上のステップを何度もくり返し、嫌な相手に攻撃的な反応をしたくなったときにいつでも使えるようになるまで練習する。
実際にやってみると分かりますが、このトレーニングに慣れておくと、怒りの感情や怒りの思考がわいて頭が沸騰しそうになったとしても、注意の焦点が足の裏に完全に移るだけで、ネガティブな感情や思考がひとりでに止まっていくんですよ。で、いったん冷静になったら、その場を笑顔で立ち去ればOKであります。
ちなみに、ここで最も大事なのは、ステップ3の「積極的に怒りの思考や感情を止めようとしない」ってところです。あくまで足の裏に意識を集中させるのが先で、あとは思考と感情をほっとくのが最大のポイントであります。
ただし、この瞑想法は、「足の裏を意識すれば必ず怒りが収まる!」ってことを言ってるわけじゃないので、そこはくれぐれもご注意あれ。ここで大事なのは、「もともと怒りの感情なんてのはほっとけば収まるものなのだから、どうにかして怒りを放置するスキルを身につけようぜ!」ってとこなんで、そこだけ守ってくださいませ−。