塩分をとり過ぎると腸内フローラが死ぬ!かもしれないぞという話
塩分は腸内環境にもよろしくない
近ごろ「塩を摂りすぎると老けるよ!」ってエントリを書きましたが、もうひとつ塩について大事なポイントがあるんでメモしときます。結論から言っちゃうと、「塩を摂りすぎると腸内細菌が死ぬよ!」って話です。
というのも、塩分に抗菌作用があるのは有名な事実で、だからこそ昔から食品の保存なんかに使われてきたわけですね。しかし、これが体内に過剰に送り込まれると、持ち前の抗菌作用が腸内に働きかけて、大事な腸内細菌を乱しまくるんですな。
塩分のとり過ぎで腸内の善玉菌が死ぬ
といっても、残念ながら、いまの時点で「塩分の摂りすぎで腸内環境は乱れるの?」って問題を調べた実験はかなり少なめ。軽く例をあげますと、
- マウスに塩分が多い食事をさせまくったら善玉の乳酸菌が減りまくった(2017年,1)
- マウスに塩分が多い食事をさせたら体内の炎症が激増し、やはり乳酸菌が減っていた(2017年,2)
みたいな感じ。いまのところ動物実験ばっかなんですけど、いずれの研究でも、塩分が多い食事をすると、
- 腸内の善玉菌が減る
- 善玉菌が減って免疫システムがグズグズに
- 体内の炎症が増加!
みたいな結果であります。ヒトでも同じ変化が起きるかはわからないものの、ご存じのとおり腸内環境は免疫システムのフロントラインですから、注意するにこしたことはないなーという印象。もちろん、塩分で善玉菌が絶滅することはないでしょうが、繁殖スピードが遅くなる可能性は十分にありえるのではないか、と。
そう考えると、いかに腸内環境に良いと言われる発酵食品も、できるだけ塩分は減らしたほうがいいのかなぁと思う次第、たしかに、古代の発酵食品はそんなに塩分も使ってなかったでしょうからねぇ。
まとめ
いずれにせよ、1日に10g以上の塩分を摂る現代のライフスタイルが良くないのは確実なんで、最低でも1日5gぐらいまでは減らしていきたいところ。パレオダイエットのガイドラインに従って加工食品を削減すれば、そこまで無理なラインでもないかと思われます。
ちなみに、いままで塩分の多い暮らしをしていた人が急に1日5g以下の生活に切り替えると、なんだか毎日の食事が味気なくなく感じられて大変なはず。
そうなると、つい塩分を増やしたくなっちゃうかもですが、過去のデータによれば「1カ月さえガマンすれば味覚が変わるよ!」って結論なので、ぜひそれまで頑張っていただければと存じます。どうぞよしなに。