糖質を減らしまくるとダイエット中でも筋肉は減らない?はどこまで本当か
ケトジェニックなら減量中も筋肉が減らない?
こないだ「ケトジェニックで筋肉って増えるの?」みたいな話を書きまして、
- 糖質をギリギリまで減らしても普通に筋肉は増える!
- でもケトジェニックのほうが筋肉は増えるってのは言い過ぎだよね!
みたいな結論に落ち着いたわけです。すると、今度は別の方から「ケトジェニックにはタンパク質節約効果があるんじゃないの?」みたいなご質問をいただきまして。
ケトジェニックにタンパク質節約効果が?
タンパク質節約効果ってのは、ざっくり言えば「筋肉が減っちゃうのを食い止める働き」のことです。
以前に「体重を減らしている最中はどうしても筋肉が減るよー」みたいな話を書いたとおり、カロリーを制限すると筋肉が分解されてしまうのは仕方がないところ。しかし、ケトジェニックを実践していると、タンパク質の分解が抑えられるのでは?って考え方があるんですね。
これが事実なら、減量の途中でも筋肉を減らさずにダイエットできるわけで、メリハリの効いた体型になりやすいことになるわけです。すばらしいですなぁ。
ケトジェニックと普通食の効果を比べたら?
ってことで、まずはブラジルで行われた実験(1)を見てみましょう。これは肥満に悩む男女21人に、週3の筋トレを8週間にわたって指示した研究であります。
その際に全体を2つのグループに分けまして、
- 1日に糖質を30gまでに制限してケトジェニックダイエット
- 糖質を総カロリーの55%にする普通食
に設定。両グループとも1日のタンパク質量は体重1kgあたり1.5gにそろえられております。
で、結果は、
- どっちのグループも同じぐらい体脂肪が減り、同じぐらいの筋肉量を維持していた!
だそうです。ケトジェニックをしても、特に筋肉量が減らないわけでもないみたい。まぁ裏を返せば、ケトジェニックでも十分に筋肉はキープできるってことでもありますが。
ケトジェニックは良くも悪くもない
この傾向は他の実験でも確認されてまして、
- 42人の中高年を対象にした12週間の実験では、週3の筋トレでケトジェニックダイエットの効果を確かめたが、結果はどちらのグループも同じだった(2012年,2)
- 18人の女性を対象にした実験でも、10週間後の結果は「ケトジェニックダイエットと普通の食事に差はない」というものだった(2010年,3)
って感じになってたりします。つまり一言でまとめちゃえば、
- ケトジェニックダイエットは筋肉に対して良くも悪くもない
といったところでしょうな。個人的にはやはり「お好きならケトジェニックをどーぞ」としか言いようがないですかねぇ。
結局はタンパク質の摂取量が大事っぽい
というと、ケトジェニックファンの方からは「パドバ大学の実験はどうなるんだ?」といった声が出るかもしれません。これは、筋トレ好きの男性を対象にした研究(4)で、ケトジェニックダイエットをしながら筋トレをしたら、なんと30日で体脂肪だけが大きく減り、筋肉はほとんど減少してなかったというんですな。
これが事実なら「やはりケトジェニックは筋トレに良い!」ってことになりそうなんですが、残念ながら、ちょっとした問題点があったりします。というのも、この実験ではケトジェニックと普通食のあいだでタンパク質の摂取量が全然違うんですよ。
具体的な数値でいうと、
- ケトジェニック=1日平均201g
- 普通食=1日平均84g
って感じです。これだけタンパク質の摂取量が異なれば、そりゃあ違いも出ますわな。あと、1日にこれだけのタンパク質をとったら普通にグルコースに変換されちゃって、ケトジェニックでもなんでもなくなるのでは?とも思うわけですけど、そのへんは未チェックなんでなんとも言えないっすね。
まとめ
そんなわけで、いろいろ書いてきましたが、
- ケトジェニックが筋肉の減少を防ぐってことはないでしょうね
- やっぱ減量中はタンパク質を増やすのがいいですよねー
の2つが大きな結論です。くり返しになりますが、ケトジェニックは良くも悪くもないんで、お好みでどうぞー。