最速でメリハリボディを手に入れるための「増量期」&「減量期」入門
https://yuchrszk.blogspot.com/2015/08/blog-post_22.html
筋トレの増量期と減量期に関するご質問をいただきました。
いつも興味深くブログを拝見しています。 特にエビデンスに基づいた筋トレ論やダイエット論は参考にさせてもらっています。
一つお願いなのですが筋トレ、肉体改造に関して、ぜひいつか増量期と減量期について書いていただけないでしょうか。
ネットで検索すると賛否両論で理想の期間についてもはっきりと書いてあるのは見つけられませんでした。 狩猟生活を基とするパレオダイエットからは離れるとは思うのですが、もし良ければ教えていただきたいです。
とのこと。
増量期と減量期ってなに?
増量期と減量期は筋トレの世界ではおなじみの考え方でして、- 増量期:カロリーをたくさんとって筋肉を増やす期間。ただし、同時に脂肪も増えてしまう。
- 減量期:カロリーを少なめにして脂肪を減らしていく期間。ただし、同時に筋肉も減ってしまう。
という2つの食事法を一定の期間ずつくり返して、メリハリの効いたボディを作り上げるテクニックであります。もちろん、このときにカロリーを増やしすぎると太っちゃうし、カロリーを減らしすぎたらガリガリになってしまうので、適度なカロリー調整が必須。自分に合った最適なカロリーを出す方法については、以下のエントリをご参照ください。
- 増量期:「効率よく筋肉量を増やすための摂取カロリー計算法」
- 減量期:「最速で腹筋を6つに割るためのカロリー計算法」
増量期と減量期は「体脂肪率」を目安に切り替える
さて、ご質問の件ですが、「どのタイミングで増量期と減量期を切り替えればいいの?」ってのは、とてもよく見かける疑問だと思います。というのも、以前に「筋肉は1年でどれぐらい増えるものなのか?」にも書いたとおり、1年で筋肉がつく量は人によって大きく違うので、万人におすすめできる理想の期間は存在しないんですよね。
なので、個人的には「期間」よりも「体脂肪率」を目安に増量期と減量期を切り替えるほうが良いと思っております。具体的な方法としては、
- 減量期:まずはカロリーを減らして体脂肪を10〜12%(女性は19〜24%)まで落とす
- 回復期1:目標の体脂肪まで落ちたら、1〜2週間ほど維持カロリーで暮らす
- 増量期:カロリーを増やして体脂肪を15%(女性は27%)まで増やす
- 回復期2:目標の体脂肪まで増やしたら、1〜2週間ほど維持カロリーで暮らし、再び減量期にもどる
といった感じ。とにかく目標の体脂肪を達成するまでは、決めたカロリー量をキープし続けるわけですね。
なぜ体脂肪率を目安にすべきなのか?
体脂肪率を目安にしたほうがいいのは、「Pレシオ」(分配比率)の問題があるからであります。「Pレシオ」は摂取カロリーを増やした(または減らした)ときに、筋肉のタンパク質が分解されてしまう量をあらわす数値。具体的には、- 高Pレシオの人:カロリーを減らすと筋肉が減りやすく、脂肪は減りにくい
- 低Pレシオの人:カロリーを減らしても筋肉が減りにくく、脂肪が減りやすい
といった感じになります(1)。つまり、効率よく筋肉を増やすには、Pレシオを低くする必要があるんですよ。
Pレシオの数値を決める要素はいろいろあるんですが、なかでも影響が大きいのが「体脂肪率」であります。2008年の実験(2)によれば、
- 減量期:
- もともと痩せてる人がカロリー制限をすると、脂肪は減りにくいが筋肉は減りやすい。
- もともと太ってる人がカロリー制限をすると、脂肪は減りやすいが筋肉は減りにくい。
- 増量期:
- もともと痩せてる人がカロリーを増やすと、脂肪は増えにくいが筋肉は増えやすい。
- もともと太ってる人がカロリーを増やすと、脂肪は増えやすいが筋肉は増えにくい。
といった違いがハッキリ出てるんですね。つまり、体脂肪が多いときに減量を行い、体脂肪が少ないときに増量を行うのがベストなわけです。
で、その境目になるのが、平均で体脂肪率15%(女性は24〜27%)のあたり。多くのデータを見てると、だいたいこのあたりから脂肪が増えやすくなっていくんですよ。