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ゴキブリの写真でお菓子の誘惑に打ち勝てるぞ!という実験

Cockroach

「お菓子が食べたく鳴ったらゴキブリの写真を見ろ!」という珍妙な実験が、アメリカの臨床栄養学誌に出ててたのでメモ(1)。


これはコロラド大学の研究でして、42人の参加者たちにゴキブリの写真を見せる実験を行ったらしい。「ゴキブリなんか見たら食欲が減って当然でしょ!」と思っちゃいますが、ここでのポイントは、本人も気づかないぐらいの短さで嫌な映像を無意識にすり込ませたところ。


具体的には、

  1. 美味しそうなお菓子の映像を4秒
  2. ゴキブリの映像を20ミリ秒
  3. またお菓子の映像を4秒
  4. 血を流す傷口の映像を20ミリ秒

といった感じ。いかにも美味そうなお菓子の間に、知覚できないぐらいのスピードで嫌悪感をかき立てる写真をはさみこんだんですね。


すると、映像を見た全員の食欲がまたたく間に減少。すっかりケーキやお肉に興味が失せてしまったうえに、その効果は3〜5日間にわたって続いたんだそうな。


研究者いわく、

嫌悪感をもたらすイメージと不健康な食品の写真を組み合わせることで、食品の選択に影響をあたえられるようだ。不健康な食習慣を減らすための、有効な手段になり得るかもしれない。「嫌悪感」は、食事の習慣を左右する強力な要素だ。

とのこと。もちろん、実験としては参加者の数が少ないし、この方法で長期的なダイエットが成功するかは不明ですが、その場しのぎのテクニックとして使ってみるぶんにはいいのかも。


というわけで、試しに実験の映像を模した動画を作ってみました。美味そうなケーキやお肉の写真の間に、0.017秒の間隔で3パターンのイヤな画像が挟まっております。本当にこれで食欲が減った方がいたら、ぜひご一報ください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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