いやな気分をすぐに軽くする「ソクラテス式問答法」のすすめ
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「いやな気分が『ソクラテス式問答法』で消える!」っていうオハイオ州立大学の実験(1)がおもしろいのでメモ。
ソクラテス式問答法は、哲学者のソクラテスにちなんで名づけられた議論のテクニック。相手に質問をしながら会話を進めていく方法でして、たとえば「理由はわからないけど悲しい」という人がいたら、
- 悲しいときには、身体にどんな感覚がありますか?
- 悲しさを感じたとき、どのように対処しますか?
- 悲しいときには、なにが思い浮かびますか?
といった疑問を投げかけていく感じ。こちらの意見は表明せずに、自然と答えに気づいてもらうのがポイントであります。認知行動療法の世界では昔から使われてきた方法で、ちゃんと効果も認められているんですね。
で、今回の実験がおもしろいのは、ソクラテス式問答法を自分に対して行っても効果があることを実証したところ。うつ病の傾向がある参加者を55人集めて、16週間にわたってソクラテス式問答法を実践してもらったら、いやな気分が格段に減ったんだとか。
具体的には、セラピストに対して「離婚のせいで僕の人生は大失敗です…」と言ってきた参加者がいたら、
- 離婚した人はみんな人生に失敗したと思いますか?
- 知り合いに、離婚しても幸福に暮らしている人はいませんか?
- 離婚と失敗のイメージが、あなたの中でどのように結びついたと思いますか?
- 自分の人生で何かに成功した体験はありますか?それは、あなたの人生が大失敗でない証拠にはなりませんか?
といった質問を考えるトレーニングを続けたらしい。認知行動療法のコラム法を、シンプルに頭のなかで進めていくイメージですかね。
研究者いわく、
患者たちは、自分自身に質問を投げかけることで、ネガティブな思考に疑いを持つようになっていきます。ソクラテス式問答法は、患者たちのネガティブな思考が論理的に正しいのかどうかを考えさせ、もっと現実的で幅広い視点を得るためのツールになるんです。
とのこと。ソクラテス式問答法が習慣になってしまえば、治療が終わったあとも良い効果は続くそうで、一生モノのテクニックと言えるのかも。いやな気分になったら、まずは深呼吸をしてからソクラテス式問答法を試してみると良さげですねー。
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