「週4日労働こそが、現代に最適な働き方じゃないか?」という本を読んだ話
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『週4でより働く(Do More in Four)』って本を読みました。著者はジャーナリストのジャレッド・リンドゾンと、働き方改革の専門家ジョー・オコナーで、両者ともずっと「週5日働くのって、ちょっと非効率じゃない?」って問題意識で調査をしてきた人なんだそうな。
なので、当然この本は、「週4日労働こそが、現代に最適な働き方じゃないか?」という主張を展開したもんで、以前に紹介した『週4日(Four Days a Week)』って本の問題意識と同じですな。ホント、最近はこの手の本が増えましたねー。
ということで、いつもどおり本書から勉強になったとこをチェックしてみましょう。
- 「週5日労働」には科学的な根拠がない。「週5日働いて2日休む」という働き方は、誰かがしっかりとデータを検証して決めたわけではなく、歴史的に見れば、我々の祖先は1週間に平均15時間程度しか働いていなかった。かつての人類は、自然のリズムに沿った柔軟な働き方を採用しており、「天候が良ければ働く」や「食料が足りなければ働く」といった、かなり柔軟なものだったと考えられる
ところが、19世紀の産業革命によって「工場で1日何時間働けるか?」という価値観が生まれ、労働はガチガチの時間管理制へと変化。これに加えてキリスト教とユダヤ教の文化的対立が発生し、日曜を休みにしたいキリスト教徒と、土曜に休みたいユダヤ教徒の両者の主張をまとめた結果、「じゃあどっちも休みにしようぜ!」となり、現代の週休2日制が生まれた。つまり、週5日勤務は「たまたまそうなった」だけの話であり、現代の働き方に最適とは限らない。
- 産業時代の工場では、「働いた時間」が「生産量」に直結していたため、「何時間働いたか」が生産性の指標として使われた。しかし、現代ではAIやクラウド技術が進化し、我々が行う仕事の多くは「知的労働」になっている。このような状況では「毎日8時間、机に向かっていればOK」という考え方は、ほぼ意味を持たない。
実際、最近の研究では、「労働時間」よりも「健康・睡眠・モチベーション」が生産性に強く関係していることが示されている。近年の研究(例:米国CDCやスタンフォード大の調査)では、睡眠が1時間減ると、タスク処理能力や記憶力が大幅に低下することが報告されているし、カナダの職場ストレス研究では、「モチベーションが高い状態」の社員は、そうでない社員に比べて生産性が平均20%以上高いというデータもある。
ハードワークにこだわるよりも、睡眠をしっかり取り、休息し、ストレスを軽減したほうが、最終的なアウトプットが高くなるのは間違いなく、今後の生産性は、「デジタルの効率 × 人間の効果性(ウェルビーイング)」という式で測られるようになるはずである。
- というと、「週4日制、最高! 明日から導入しよう!」という気になるかも知れないが、そんなに単純な話ではない。週4日勤務は適切な設計なしには機能せず、ただ1日休みを増やすだけでは意味がない。そのためには業務の設計そのものを根本から見直す必要があり、たとえば、「無駄な会議を減らす」「優先順位の低いタスクをやめる」「AIなどの技術を導入する」といった改革を進め、業務を20%以上効率化することが求められる。その上で「その効率化の成果として、1日休みをプレゼント」という流れを作らないと、積極的に協力してくれる社員は出てきづらい。具体的には、以下のようなステップが推奨される。
業務の可視化と棚卸し
→ まずは、誰がどの仕事にどれだけの時間を使っているかを「見える化」する。
→ これは結構ショッキングで、たとえば1日2時間が会議やメール返信など「低生産タスク」に使われていることがよくわかる。
業務の再設計
→ 無駄な会議を減らし、優先順位の低い業務を削減。
→ さらに、AIツール(ChatGPT含む)を使って定型業務を自動化し、社員は「高インパクトな業務」に集中する。
時間のインセンティブ化
→ 単に「20%生産性を上げろ!」と言っても人は動かないが、「20%効率化できたら、金曜は休みにしよう」と言えば、協力的になる。
要するに、時間を「報酬」として扱うという発想であり、これはモチベーション心理学の観点からも非常に理にかなっている。
- 近年は「週4日勤務を導入することで、他の課題も一緒に解決できた」という事例がいくつも出てきている。たとえば、
・社員の燃え尽き症候群(バーンアウト)が減った
・離職率が大幅に改善した
・優秀な人材の採用につながった
・AI導入への社内の抵抗が減った
といった感じである。「AI導入に反対していた社員が、週4日が報酬になると知った瞬間、急に積極的になった」という事例も少なくないとのこと。
- 週4日労働は社会全体にもポジティブな影響を与えることがわかっている。たとえば、
・通勤の頻度が減ることで、CO2排出量が減少
・余暇が増えることで、家族や地域への関わりが増える
・料理や自転車通勤など、サステナブルな行動が促進される
・男女の家事育児負担の平準化が進むことで、ジェンダー格差が縮小
などである。特に育児中の共働き家庭にメリットが大きい可能性が高く、「短時間勤務のママだけがキャリアに制限を受ける問題」も緩和され得る。全員が週4日になることで、働き方の公平性が保たれることのメリットは大きい。
ということで、これを読んでると「やっぱ今後は週4日が普通になっていくのかなー」って気がしました。この本でも語られてましたが、5日労働制も最初は「過激なアイデア」と見なされていたのに、これが最終的には法律にまでなったわけなので、同じように週4日勤務がジワジワと広まっていく可能性もあるんじゃないかと。皆さんの会社でも、「そろそろ週4日でも良くない?」という話を、軽い雑談から始めてみてもいいかもですなー。



