認知症の38.9%は予防可能!そのカギはアレですよ、という研究の話
年を取ったら認知機能は下がるもの。これはいかんともしがたい事実ではあるんですが、日本の公的統計を使った新しい分析(R)では、「そうは言っても、認知症の約4割は生活習慣の改善で予防できるんだから、できるとこはやっといたほうがいいよ!」って話になってて勉強になりました。
まず前提として、いま認知症は世界的にめっちゃ増えてまして、大きな問題になっております。特に日本は世界でも平均寿命が長い「超高齢社会」なもんで、できるだけ脳をしっかり保ち続けておきたいとこなんですよ。
しかも、認知症ってのは、これといった「治療法」が確立してるわけでもない難しい問題でして、いったん発生しちゃうと対策が難しいのが困ったところ。なので、問題が起きる前にどこまで「予防」できるかってとこの重要性が増しているわけです。いちおう、近年はアミロイドβを標的にした薬も出てるんだけど、まだまだ普及への道のりは険しいのが現状であります。
ってことで、この研究では、日本の国民健康・栄養調査、政府統計、国内疫学研究、環境データなどを使って、国内の認知症はどれぐらい予防できるかってところをチェック。「どんなことをすれば認知症を防げるのか?」って問題を、かなり徹底的に調べてくれたんですよ。ありがてぇ……。
ボケ対策に使えそうな14の要素
そこで研究チームは、ボケの原因になるいろんな要素から、「これは自分の努力で修正できるぞ!」と考えられるものを端からピックアップ。代表的なものを14個にまとめてくれております。
- 教育歴の低さ
- 難聴
- 高LDLコレステロール(LDL-C)血症
- うつ
- 外傷性脳損傷
- 運動不足
- 喫煙
- 糖尿病
- 高血圧
- 肥満
- 過剰な飲酒
- 社会的孤立
- 大気汚染への曝露
- 視力低下
いずれも遺伝みたいに「生まれつき決まった要素」ではなく、「後から修正が効く!」ってものが選ばれているのがポイントっすね。この14個を片っ端から調整していけば、将来頭がうまく働かなくなるリスクを限界まで減らせると考えられるわけです。
さらにデータを見てみると、これら14の要素のなかでも、とくに「ボケ予防」への影響が大きかったトップ3は、以下のようになります(数字は寄与度)。
- 難聴(6.7%)
- 運動不足(6.0%)
- 高LDLコレステロール血症(4.5%)
ってことで、数ある要因のなかでも、「耳がうまく聞こえない!」って問題を防ぐのが、ボケの防止に最も役立つって結論であります。認知における耳の重要性は昔から言われてたことではありますが、ここでもあらためて確認された感じっすね。
難聴ってのは「耳が遠いだけ」と軽く見られがちなんだけど、実は脳の働きにめっちゃ大事だったりします。もし耳が聞こえないと、日々のコミュニケーションの中で脳に情報が入りづらくなるし、そのせいで会話がどんどん面倒になって社会的に孤立しやすくなり、さらに脳への刺激が減っちゃうんですよ。言い換えれば、私たちの脳を健康に保つためには、誰かとのコミュニケーションが必須だってことですな。
ちなみに、この研究では、「すべてのリスクをゼロにする!」みたいな非現実的な話はせず、 「現実的な範囲で少し減らしたらどうなるか?」も推計しております。その結果がどうだったかと言いますと、
- 14の要素を一律10%低減すると、将来的に約20.8万人の認知症発症を予防できるかも
- 14の要素を一律20%低減すると、将来的に約40.8万人の認知症発症を予防できるかも
みたいになります。とにかく「ほんの少しの改善」でも、大きなリターンを得られそうなんで、こりゃあ日々やっとくしかないなーと思うわけです。
では、今日からなにをすべきか問題
では、この研究を参考にしつつ、私のような初老の人間は何から手をつけるべきかを考えてみると、だいたい寄与の大きい順に以下をやっとくのが良いでしょうな。
- 難聴対策:50歳を超えたら定期的に聴力チェックをして、もし問題が確認されたらすぐに補聴器を導入する。あと、日ごろからイヤホンで大音量の音楽を聴かない。
- 運動不足を潰す:目安は週150分の中強度運動(早歩きなど)で、続かない人は「毎日10分の散歩」からスタートしておく。というか、運動は、認知症だけじゃなく、うつ・糖尿病・高血圧・肥満など多方面に効くので、まずはここを固めるのが基礎。
- LDL(いわゆる悪玉)を管理する:トランス脂肪酸を減らし、食物繊維を増やす(野菜・豆・全粒穀物)。必要なら医療介入もマスト(自己判断で抱え込むと失敗しやすいんで)。
まぁ運動とLDLは健康意識が高い人ならすでにやってると思いますが、「難聴対策」ってのは意外と見過ごされがちなポイントなので、日々頭の隅にでも置いておくと良いでしょうね。
もちろん今回の推計は、認知症のすべてを防げると言っているわけじゃないものの、約4割は生活習慣や健康状態の改善で動かせる可能性があるってのは間違いなさそうですからね。結局のところ、派手な新薬に頼ろうとするよりも、よく動き、代謝を整え、よい耳を保って社会とつながるといった地味な対策を続けるほうが有効ってことなんでしょう。



