面接に受かりやすい履歴書はどう書くべきか?の科学
https://yuchrszk.blogspot.com/2018/02/blog-post_6.html
「面接に受かりやすい履歴書の書き方を調べてみたよ!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはミシガン大学の実験で、「企業への印象がいい履歴書&添え状の書き方とは?」について調べたもの。巨大なヒューマンリソースのデータを使ってたくさんの履歴書を集めまして、それを実際に評価してもらったらしい。
自分をほめるか相手をほめるか
まず、最初の実験では、履歴書にありがちなパターンを分類しまして、以下の3つに落ち着いております。
- 自分を絶賛する系:「私は最高の人材です!必ずお役に立ちます!」みたいな
- 相手をほめまくる系:「御社は最高です!業界でも有名ですよね!」みたいな
- ハイブリッド系:「御社のプロジェクトの考え方は、私の理念にそっくりです!」みたいな
最後のハイブリッド系が少しややこしいですが、要するに、その企業の価値と自分の価値を結びつけて提案するパターンですな。
さらにこの研究では、上のパターンに比べて「ほめ度の高さ」も考慮に入れております。たとえば、
- ほめ度強:「私の力でプロジェクトを成功に導いてみせます!」みたいな
- ほめ度弱:「私は御社のプロジェクトに貢献できると思います」みたいな
以上の要素を組み合わせた上で、どの戦略を使えばいいのかをチェックしたわけです。
とりあえず相手をほめておくのは間違いがない
では、ざっくりとわかったことを並べて行きますと、
- たいていの人は「募集要項」の言葉に大きく左右される:企業が「事務能力が最高の人を求む」と書けば、履歴書にも「私は最高です」と書いてある確率が高くなり。企業が「自信がある人」と書けば、「自信があります」と書いた履歴書が増える。ただし、これは良くも悪くもない。
- 「自己絶賛」は多過ぎても低過ぎても死ぬ:基本的に、あんまりにも自分をほめている履歴書は、相手に「こちらを操ろうとしてる!」みたいな印象を与えてしまう。かと言って、ほぼ自分をほめないのも同じぐらい印象は低下する。「御社に役立つ能力があります」ぐらいの言い方が良さげ。
- 「相手をほめる」戦略はとりあえず入れといて損がない:「企業をほめる」文章は必ず入れておいたほうが、一貫して「この応募者はウチに合っている!」と思われる確率が上がった。何も書かないよりは、とりあえず相手をほめといたほうが有利。
- 女性は男性より控えめ:女性ほど「自己絶賛」をしないケースが多いので、少しは入れといたほうがいいよーとのこと。
だそうな。「御社の理念に共感しました!」みたいな言葉はチープに響きますが、やっぱ一定の効果があるのは間違いなさそうっすね。
基本はハイブリッド系の「ほめてく」を使うのがベスト
研究者いわく、
その企業や組織の価値観をとおして自分の価値を表現していくと、企業があなたを「適材だ」とみなす確率は高まる。また、この手法は、それ以上に向こうの好意を引き出す効果がある。
とのこと。この結果を見てますと、基本はハイブリッド系を使うのがいいんでしょうねぇ。つまりは、
- 最初に相手の価値観をガンガンにリサーチ
- 続いて自分の価値をリストアップ
- 相手の価値観と自分が持つ価値を合成できないか考える?
ってステップを踏んでいけば、たんなる自慢ではなく、かといって相手を褒めるだけに終わらない内容が書けるのではないかと思う次第です。というか、企業だけでなく個人とのコミュニケーションにも言えそうな話ですが。