すべての病気を引き起こす「炎症」は"あの感情"が原因でも起きるかもよ!という研究
「炎症よくない!老化の原因!」ってのは「最高の体調」で強調した大きなポイント。体内の炎症レベルが高い人ほど、
- 病気にかかりやすい
- 早死にしやすい
- 見た目も老けやすい
って傾向が何度も確認されてるんですな。
そんなわけで体調を最適化するためには炎症対策が欠かせないわけですが、こいつを引き起こす原因は山ほどあるのが難しいポイント。食事、睡眠、運動、大気汚染など、あらゆることが炎症の引き金になりますんで、かたっぱしから対処してくしかないんですよね。
でもって、さらに近年でよく聞くようになったのが「感情と炎症」の関係であります。「最高の体調」でも「孤独な人ほど体が炎症してる」って話をチラッと書いたとおり、感情の反応ってのはヒトの老化を大きく左右してるみたいなんですな。
でもって、近ごろ出たデータ(1)では「悲しみが炎症を激増させる!」って結論になってまして、参考になりました。
これはライス大学の論文で、どんな研究だったかというと、
- 最近に配偶者を亡くした人に協力をお願いする
- 被験者に悲しみの度合いなどをインタビューする
- 血液検査をして体内の炎症レベルを調べる
といった感じ。長年連れ添ったパートナーを失った悲しみが、どれだけ体内の老化と関係があるかをチェックしたんですね。
さて、その結果をざっくり言えば、
- 激しい悲嘆を感じた人は、さほど悲しみがない人より平均で17%ほど炎症レベルが高い!(炎症性サイトカインで判断)
- 「悲しみレベル」が全体の上位3分の1だった人は、「悲しみレベル」が下位3分1の人より54%も炎症レベルが高い!
- この傾向は男女を問わず、高齢者ほど悲しみの悪影響は大きい
ってことで、ネガティブな感情は、やはり体を老化させていくっぽい。ここでいう「激しい悲嘆」は「人生の意味を失くしたように感じられるぐらいのレベルだそうで、かなり辛そうですな。
研究チームいわく、
過去の研究によれば、炎症はほぼすべての病気の引き金になる。と同時に、うつ病が炎症と相関しているのも有名な話だ。さらに言えば、パートナーを亡くした者は、うつ病、心臓病、脳卒中などを起こしやすい。
今回の研究では、うつ病の症状が出ていない場合でも、悲しみの感情が大きい者は体内の炎症が進むことがわかった。この炎症により健康へ悪影響が出る可能性は大きい。
とのこと。奥さんが亡くなったとたんに夫が老け込むような現象はよく見ますが、あれは実際に体内が燃え盛ってる可能性が高いわけですな。
つまり、この研究から言えそうなことは、
- 悲しみで人間が老け込むケースは十分にありえる
- どころか、早期死亡率を早める可能性もかなりある
って感じでしょうか。もちろん悲しみは自然な感情なんで「心の動きを抑えつけろ!」というわけにはいかんのですが、最大限のストレスマネージメントぐらいはしといたほうがよさげですね。