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あなたの作業パフォーマンスを左右する2つのタイプと、その活用例


  

ペンシルバニア大学のロスバード博士が、「在宅勤務のコツ」みたいな話(R)をまとめてくれてておもしろかったんでメモ。リモートワークが当たり前になってきた現代で、「いかにワークライフバランスを保つか?」って疑問に取り組んだ内容になっております。

 

 

ここでは博士が過去20年に行った研究による知見が披露されていて、ポイントをまとめるとこんな感じ。

 

1. 私たちの仕事のしかたは「統合タイプ」と「分割タイプ」に分かれる

多くの人は、仕事に取り組むスタイルが「統合タイプ」と「分割タイプ」に分けられる。ざっくり言うと、

 

  • 統合タイプ=仕事とプライベートの境界があいまいなタイプ。家に仕事を持ち込んでも、わりと苦にならない
  • 分割タイプ=仕事とプライベートの境界をがっつり分けるタイプ。家に仕事を持ち込むとイライラする

 

みたいになってます。この類型をふまえたうえで最適な仕事のやり方を探ろうぜ!ってのが第一のポイントっすね。

 

 

 

2. タイプ別の働き方のポイント

では、具体的に、それぞれのタイプによって仕事のやり方をどう変えたほうが良いかと言えば、

 

  • 統合タイプは、仕事場とプライベートの空間をあいまいにしたほうが幸福度が高まりやすい。たとえば、オフィスに趣味や家族に関する写真を飾ったり、PCの壁紙に好きなキャラの画像を使ったりなど。と同時に、仕事の時間中にプライベートの用事(公共料金の支払いとか)を済ませることができると、生活の満足度が上がる。

 

  • 分割タイプは、仕事とプライベートを完全に分けたほうが快適なので、仕事用のPC環境とプライベートのPC環境を切り分けたり、仕事用とプライベートで分けたカレンダーを使ったりした方が良い。また、フレックスタイムが使える職場だとさらに満足度が高まるので、積極的に利用しておきたい(仕事とプライベートを分けやすくなるから)

 

といった対処が基本になります。タイプによって真逆の対策が必要になるわけっすな。

 

 

 

3. リモートワークにおける働き方のポイント

じゃあリモートワークではどうかと言えば、当然ながら分割タイプにとっては不利であります。在宅で仕事とプライベートを完全に切り分けるのは超難しいですもんね。

 

 

そのうえで、実際のポイントはこんな感じになります。

 

  • 分割タイプか統合タイプは問わず、仕事の時間とプライベートな時間には明確な境界を作ったほうが生産性は上がる。

 

  • 分割タイプは時間感覚の融通があまり効かないので、在宅ワークでも従来の勤務スケジュールを守るようにしたほうがよい。また、仕事場とプライベートな空間をきっちり分ける必要があるので、「仕事専用の部屋」などを作っておくと吉。さらには、自分に明確な境界線の感覚をあたえるために、「仕事着」と「プライベート着」をハッキリわけて着分けるのも効果的。

 

  • 逆に、統合タイプは在宅ワークだと仕事とプライベートの境界がドロドロに溶けてしまいがちなので、決まったタスクやルーチンを事前にハッキリ定めておく必要がある。仕事場については、キッチンやダイニングなどで作業を行ったほうが快適さが高まる可能性がある。

 

ということでいろいろ書いてまいりましたが、まずは「自分は分割と統合のどっちだろう?」と考えたうえで、タイプに適した働き方を調整していただければ幸甚であります。私は分割の気質が強いんですが、ここ数年はずっと自宅で原稿を描いてるので、プライベート空間との切り分けには苦労してますね……。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。