リアルよりオンラインのほうが「出会いの場」として優れているのだ!仮説
「マッチングアプリの出会いってどうなの?」みたいな疑問を抱いたことがある人は少なくないでしょう。オンライン上の出会いは、リアルな出会いよりも良縁にめぐまれるのかどうなのか?みたいな疑問っすね。
直感で考えると、なんとなくリアルな出会いの方が人となりを知りやすくていいような気もするわけですが、「実際にはオンラインの方が有利なのだ!」みたいな話が出ておりました(R)。
といっても、これはコンピュータ上で行われたシミュレーションでして、研究チームがどんなことをしたかというと、
- 1万以上の擬似社会ネットワーク(人と人のつながりのパターン)をランダムに生成する
- マッチングアプリがない状態の社会と、マッチングアプリがある状態の社会をシミュレートし、男女間のネットワークにどんな違いが出るかを見る
みたいな感じです。なんかわかりにくいですが、すごく雑に説明すると「男女の出会いがまだ共通の友人や職場などに限られてた時代」と「従来のネットワークを飛び越えて出会える時代」のどっちがつながりは強いのか?みたいな話です。
で、その結論についてチームいわく、
我々のモデルは、オンライン・デートがある社会で作られた結婚は、より強くなる傾向があると予測している。
とのこと。マッチングアプリを組み込む前と後のパートナー間の平均距離を測定すると、どうもオンライン上の出会いが存在する社会のほうが男女のつながりは強いみたいなんですよ。おもしろいもんですねぇ。
が、この結果だけ知らされても、なんかモヤモヤする人も多いでしょう。コンピュータ上のシミュレーションで、どれだけ現実世界の出会いを予測できるの? その結論って意味あるの? みたいな疑問が浮かぶのはやむを得ないとこでしょう。
ところが、このような「オンラインの出会いの方が実は良い説」は現実でもそこそこ確認されてまして、
- 2005年と2012年の間に結婚した約19,000 人を調べた調査(R)では、オンラインでパートナーと出会った人たちは、リアルで出会った人たちよりも結婚生活に満足している傾向があり、さらには別居や離婚につながる可能性も低かった(ただし、この研究は「eHarmony.com」っていうマッチングサービスが出資してるので、その点はご注意ください)
- 2017年に発表されたまた別の調査(R)でも、3,009人の男女を調べたところ、オンラインで出会ったカップルのほうが、リアルで出会ったカップルよりも結婚しやすかった
みたいな報告が出てたりします。いずれも一時点の偏りだけを見た研究なので、これらをもって「オンラインで出会う方が良いのだ!」とは言えないし、日本でも同じ傾向が確認されるかは不明ですけど、「リアルよりマッチングアプリのほうが有用説」は意外とありえる考え方だとは申せましょう。
いまんとこオンラインが有利かもしれない理由は謎ですけど、
- つながりのネットワークが広いぶんだけ、良い出会いの確率が増えるから?
- そもそもマッチングアプリを使う人は、リアルで出会う人よりも「意味がある人間関係」を探してる確率が高いから?
みたいな原因は考えられますかねぇ。まだ仮説のレベルではありますが、なかなかおもしろいトピックではないかと。