「自分の体が嫌いで……」を改善するかもしれない心理トリックのお話
「不老長寿メソッド」では「ボディイメージは大事だよー」ってポイントを強調しております。ボディイメージは「自分の体についてどう思うか?」って観点で、ここで「私は太りぎみだから……」とか思ってると、どんどんメンタルが損なわれちゃっていくんだよーって話ですね。
これは特に女性に多い現象で、ボディイメージが痛んじゃってる人は多め。ほっとくと気持ちが沈んでいくばかりなので、どうにかしておきたいとこであります。
ってことで新しい実験(R)は、「ボディイメージを改善したかったら”死"を思え!」という斬新な方法を提唱してくれておりました。
これは158人の女性を対象にしたテストで、
- みんなに「どのような価値観を持ってますか?」と尋ねる
- 参加者の3分の1に「自分自身がアパートの火事で死ぬところを想像してください」と指示。残りの3分の1には「自分の死について考えたときにどのように感じるか?」だけを記述させ、さらに3分の1には「歯医者に行くときの自分をイメージしてください」と指示する
- さらに「自分の死について家族はどのように反応するか?」や「これまでの自分の人生をどう思いますか?」などの質問を重ねる
って手順を踏んで、参加者の一部に死のイメージをすり込んだらしい。
でもって、その後ですべての参加者に対して、身体の満足度、美に対する幅広い概念、自分の外見を重視しているかどうかなどを評価してもらったところ、
- 死について考えたグループは、なにもしなかったグループに比べて体重への満足度が高くなった
- 美容志向の高い女性ほど、自分の死を考えたあとで体型の満足度が高くなった
だったそうです。死を思った女性は、自分の体型や体重に満足するようになったんだ、と。
研究チームいわく、
自分の死について考えた女性は、自分の見た目への心配を太極的に見られるようになり、外見に重きを置かなくなった。さらに、自分の死を認識することは、社会に出回る理想的な身体のイメージに関わらず、いまの自分の体に満足し、感謝する気持ちを高めることができた。
とのこと。もちろん、「死を思う」って作業は一部の人には恐怖と不安をかき立てる働きもあるんで、すべての方に推奨できるわけではないです。が、「死を思う」作業に抵抗がなく、ボディイメージの問題にお悩みの人であれば、試す価値はあるかもしんないっすね。
ちなみに、「最高の体調」でも書いたことですけど、「死を思う」作業には一定のメンタル改善効果が認められていて、
- 他人への思いやりが増す
- 自分でものごとを決める態度の増加
- 人生観がポジティブになる
- 外在的な価値観(金や地位など)から内在的な価値観(家族など)へのシフトが促進される
といった報告が過去に出てたりします。なんでこういった現象が起きるかにはまだ諸説あるんですが、
- 自分の死を思う
- 「私の人生には限りがあるのだなぁ……」って気分が増す
- 「もっと有意義に生きなくては!」って心理が生まれる
みたいなメカニズムが働くんだろうなーって感じじゃないでしょうか。くり返しになりますけど、「死を思う」作業は人によって劇薬になりかねないので、あくまで余裕のある方のみお試しください。