自分の職場がどれだけ有害か?をチェックする12の質問
「科学的な適職」では「良い職場を選ぶ前に有害な職場を避けよう!」みたいな話を書いております。なんせヒトのメンタルに与える影響は、良い職場から得られる幸福よりも、悪い職場からウケるダメージの方が格段に大きいもんですから。
新しくオーストラリアで行われた調査も「有害な職場はどれだけヤバいか?」をチェックする内容になっててためになりました(R)。
これはフルタイム従業員1084名のを対象にしたもので、みんなの働きぶりと職場の環境を調べたもの。ここでいう「有害な職場」の定義ってのは、
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組織の下で働く人々がネガティブなプレッシャーを経験し、そのせいでメンタルが消耗する職場
ぐらいの意味になります。ネガティブなプレッシャーの内容はいろいろで、同僚の嘲笑、激しすぎる競争、不当な要求などが含まれております。ここらへんの問題に管理職がちゃんと取り組んでいて、それが職場の安心につながってるかどうか?を調べたわけっすね。
また、職場のヤバさを計測するにあたって、ここでは「心理的安全性傾向(PSC)」と呼ばれる有名な指標を使ってます。PSCは「働く人が職場でどれだけ心理的に安全でサポートされていると感じられているか?」を調べるために使うんですよ。
で、まずは分析の結果を見てみると、以下のようになります。
- PSCの得点が高い組織ほど従業員のメンタルヘルスはよく、PSCが低い職場では従業員が鬱病になるリスクが300%増加する
- 有害な職場による悪影響は、女性よりも男性の方が強い(つまり、男性の方が有害な職場のダメージを受けやすい)
ってことで、なかなか豪快な数値が出てますね。ダメな職場がメンタルに悪いのは常識ながら、ここまで悪影響が大きいってのはすごいもんですな。
ちなみに、PSCにはいくつかのバージョンがあるんですけど、ここでは最も手軽な12問バージョンをご紹介しておきます。以下の文章を読みつつ、「自分の職場はどんなもんだろう?」と考えつつ点数をつけていってください。
- まったく当てはまらない=1点
- 当てはまらない=2点
- どちらでもない=3点
- 当てはまる=4点
- 完全に当てはまる=5点
- 私の職場では、管理職の人たちは従業員のメンタルヘルスに影響を与える問題や課題を解決するために迅速に行動している。
- 従業員のメンタルについての問題が起きると、私の職場では、管理職の人たちが断固として行動する。
- 管理職の人たちは、強いコミットメントのもとに従業員のストレス防止をサポートしている。
- 従業員の心理的な幸福は、私の職場の優先事項である。
- 私の職場の上級管理職は、従業員のメンタルヘルスを重要視していることが明らかだ。
- 私の職場の上級管理者は、生産性と同じぐらいメンタルヘルスを重要だ考えている。
- 心理的な安全性の問題について、私の職場では良いコミュニケーションが行われている。
- 職場のメンタルヘルスに関する情報を、上司が常に知らせてくれる。
- 組織内における安全や衛生の悩みや心配について、管理者たちは私の言葉に耳を傾けてくれる。
- メンタルヘルスと心理的な安全に関する話し合いは、管理者だけでなく、従業員、労働組合などの間で行われる。
- 従業員は心理的な安全性と健康に関する問題に関わるよう奨励される。
- 私の職場では、ストレスの予防について組織のすべての部署が関わっている。
採点が終わったら、すべての点数を合計して終了です。大まかには以下のように判断してください。
- ≧41=職場の環境はかなり良好です
- 40〜37=職場の環境は安定しているものの、もっと安全を徹底する必要あり
- 36〜26=やや低め。PSCレベルを向上させることで、職場の鬱病を16%、仕事の負担を14%減らすことができるかも
- 26<=さらに事態が悪化しかねないので、早急な対策が必要
あくまでざっくりした判断ではありますが、自分の職場のおおまかな診断材料にはなりましょう。どうぞよしなにー。