今週半ばの小ネタ：オメガ3やっぱ危険、イメトレで筋力アップ、シトルリンで疲れに強くなる？

Summary

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

オメガ3は体に良い！ってのは常識ながら、このブログではサプリについてはオススメしてなかったりします。なにせ酸化レベルが高いもんで、メリットどころか悪影響が出ちゃう可能性が大きいもんですから。

で、新しく出たメタ分析(R)もまたオメガ3サプリに不利な結論を出してまして、ざっくりまとめると、

みたいになります。心房細動ってのは不整脈の一種で、血液をうまく全身に送れなくなり、めまいや脱力感が起きちゃう症状のこと。最悪の場合は脳卒中にも繋がりまして、なんとも怖い状態なんですよ。

このメタ分析では、REDUCE-ITとSTRENGTHという世界中で行われてるオメガ3実験の結果をまとめてまして、それぞれのデータの質は低いものの、注目すべき結果になってはおりましょう。

分析のポイントをピックアップすると、だいたいこんな感じです。

うーん、怖い。1日1gでもリスクがあるのか……。

オメガ3サプリで心房細動リスクが高まる理由はまだ不明なとこも大きいんですけど、やっぱサプリでどうにかするのは難しそうっすね。とりあえず「魚を食べよう！」といういつもの結論に落ち着きそうであります。

その昔、「想像だけの筋トレでも筋力が育つ！」って話を紹介しましたけど、新しいデータ(R)もイメトレの効果を示してておもしろかったです。

これは30名の男性バスケットボール選手を対象にしたもので、最低でも5年間の筋トレ経験トレーニングの経験があるアスリートだけを選んだとのこと。彼らを対象に何をしたかと言いますと、

まずは全員にハードな筋トレを6週間ほど支持して、その後で筋トレを控えてもらう（筋トレをしない期間はスプリントトレーニングだけやったらしい）
選手たちを、1）自分が1RMの85％のスクワットとベンチプレスをしているところを週に3回ずつイメージする、2）パワー系のトレーニング（軽いバーベルを高速で上げ下げするタイプの運動）をしてる自分をイメージする、3）イメトレをしない、って3つのグループに分ける
その後、みんなの筋力やパワーがどうなったかを調べる

みたいになってます。すると、イメトレをしたグループにはやっぱり明確な違いが現れまして、

という結果だったそうです。まー、細かく見ていくと、「タイプミスしてないか？」と思われるとこもあるんですが（スクワットの相対的な1RMについてtが1.61、p値が0.001未満と報告されてる）、全体的には「やっぱイメトレは使える！」と思わせるに十分な結果ではないかと。

個人的には日常的に筋トレ系のイメトレはしてないんですけど、

みたいに取り組んでいくと、より早く筋力やパワーが改善していいかもしれないっすねー。

近ごろ人気なエクササイズサプリのひとつがシトルリン。スイカなどに多くふくまれるアミノ酸で、体内の一酸化窒素を増やす働きがあり、過去にこのブログでも、

みたいな報告を取り上げております。まーそこまで劇的にワークアウトに効くってわけでもないですが、それなりに見込みがありそうなんですよね。

でもって、新しいメタ分析(R)では、「シトルリンマレート (リンゴ酸) で筋持久力は改善するか？」ってポイントに的を絞って調べてくれてて有用でした。もしシトルリンで筋持久力が上がるなら、筋トレのボリュームを増やしたい人にはありがたいですもんね。

ここでは137名の参加者をふくむ8つの研究をまとめていて、ざっくり結論だけまとめると、

運動の40～60分前にシトルリンマレート6～8g摂取すると、プラセボと比較して、下半身、上半身、全体の筋力に小さなプラスの効果をもたらし、全体の効果は統計的に有意だった

みたいになります。すごーく小さな効果なので、筋トレサプリとして積極的におすすめするわけじゃないんですが、そんな高価なサプリでもないんで、ちょっと試すのもアリかもしれないですねー。

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