やる気アップと作業効率アップに激しく効く「メタ認知を鍛える50の質問」
メタ認知を育てよう!
当ブログでは、たまに「メタ認知って大事よねー」みたいな話が出てまいります。メタ認知は「自分の思考についての思考」のことで、自分の状態をモニタリングしたり、現状を評価したりといった時に使う能力。
つまり、メタ認知が低いと、なにが現在の問題なのかすらわからないので、まともな計画が立てられず、ひたすら泥のなかでもがき続けるようなっちゃうわけですな。例えば私の場合、子供のころは数学が苦手で「何がわからないのかがわからない!」って感じだったんですよね。これこそ、まさにメタ認知が効いてない状態っすね。
と、なんで急にこんな話を始めたかというと、近ごろ読んだ「学生のメタ認知を育てよう!」って論文(1)がおもしろかったから。学校の先生が生徒のメタ認知を育てる方法をまとめたレビューなんですが、私のようなアラフォー男にも十分使える内容かと思います。
メタ的に問題に取り組む4ステップ
具体的には、まず以下の4つのステップで問題に取り組むのが基本になります。
- ステップ1.事前評価:「新しいことを学ぶにあたって、自分はすでにこのトピックについて何を知っているだろう?」といった質問で、自分の「現在の思考」を深掘りするように働きかける。
- ステップ2.混乱ポイント:「今日学んだことのなかで、もっとも自分にとって意味不明だった点はどこだろう?」」といった質問で、「何がわからないのかがわからない!」状態を抜け出す。
- ステップ3.「事前評価」の評価:事前評価の段階と現在で、自分の考え方がどう変わったかを深掘りする。「このテキストを学ぶ前は◯◯だと思ってたけど、いまは◯◯だと思っている」「自分の考え方の、このポイントが変化したな…」みたいな感じ。
- ステップ4.思考の記録:ステップ1〜3までを記録に残しておく。「自分がテストのために準備したことは◯◯で、次には何をすべきかを考えた。事前の準備でうまくいったのは◯◯で、次に変えるべきポイントは…」みたいな感じ。
いやー、このガイドラインは使えますな。新たな仕事に取り組むときに使ってもいいでしょうし、1冊の本を読むときに実践しても理解レベルがアップしそう。新しいレシピを試すときなんかにも心がけておくと、料理のスキルが上がりそうな気が。
メタ認知をアップさせる50の質問
さらに本論では、メタ認知をアップさせるためのセルフ質問集がついていて、これがまた使える感じ。具体的には、以下のようになっております。
▼仕事を始める前に使う質問
- この仕事の具体的なゴールはなんだろう?
- この仕事について、現時点で何を知っているだろう?
- この仕事をこなすためにできる準備はなんだろう?
- この仕事を行う最適な場所はどこだろう?タスク中にしてはいけないことはなんだろう?
- 目の前の仕事について、現時点でどんな疑問があるだろう?
- (仕事の依頼主がいる場合)依頼主が自分に期待するゴールはなんだろう?
- この仕事をうまく達成するのに必要な要素はなんだろう?
- 仕事を達成するのに必要なリソースはなんだろう?自分がそのリソースを持っていると確認する手段はあるだろうか?
- 仕事の達成にかかる時間はどれぐらいだろう?
- (以前にも似たような仕事をしたことがある場合)どれぐらい以前の仕事よりも上手くできるだろうか?
- 具体的にどんな戦術が使えるだろうか?
- 仕事の計画についてどれだけの時間を使っただろうか?
- 仕事のどの部分にもっと時間を使うべきか?逆に時間を使わなくてもいいところはどこか?
- そもそも、なぜこの仕事をするのが重要なのか?
- この仕事を達成することで、自分のより大きな目標は進展するのか?
- 仕事の進捗状況をモニタリングする方法はあるか?
- この仕事から何を得たいのか?
- この仕事を達成することで、自分のどのスキルを伸ばしたいのか?
▼仕事してる途中で使う質問
- この仕事を行っている自分は、どんな知見を得ているのか?どんな経験をしているのか?
- (前に進まないときは)自分は何に対して混乱しているのか?
- 仕事中にどんな疑問が浮かんだだろうか?その疑問を、どこかに記録しただろうか?
- 仕事を楽しめているだろうか? 答えが「いいえ」の場合、仕事が「他人事」から「我が事」に変える方法はないだろうか?
- 大量の情報のなかから、重要なものだけを見抜けているだろうか? 答えが「いいえ」の場合、重要なものを見抜く方法はないだろうか?
- いま使っている戦術は上手く機能しているだろうか?
- 仕事を達成するために、他のリソースは使えないだろうか? そのリソースを得るために何ができるだろうか?
- この仕事でもっとも困難なポイントはどこだろう? もっとも理解ができないポイントはどこだろう?
- 困難なポイントに対して、違うアプローチはできないだろうか?
- どこまで仕事の手順をシステム化できているだろうか?
- どこまで他者のサポートを受けられるだろうか?
- モチベーションは維持できているだろうか? 答えが「いいえ」の場合、「自分がこの仕事をしているそもそもの理由」を考えてみよう
- 自分が悩んでいるポイントは明確になっているか? 答えが「いいえ」の場合、どうすれば明確にできるか?
- いまの時点で残っている「悩み」はどれか? 「自分の悩み」を明確にする方法は?
- いまの仕事にもっと興味を持つ方法はないだろうか? どれぐらい自信をもって遂行できているだろうか? 仕事への興味と自信を増やす方法はないだろうか?
▼仕事が終わった後に使う質問
- 今日は具体的になんの仕事をしたのか?
- 今日やった仕事は、以前の自分の理解と食い違っていないか?
- 今日の仕事で得たアイデアは、これまでの仕事にどう関係があるのか?
- 自分が仕事について抱いた疑問や難点を解決、または明確化するにはどうすればいいだろうか?
- 今日の仕事でもっとも興味が持てたポイントはどこだろう?
- 今日の仕事でどれだけゴールに近づいただろうか?
- 今日の仕事でどれだけリソースを使っただろうか?
- (仕事の依頼主がいる場合)自分の強みや仕事の欠点について、依頼主はどこがポイントだと思うだろう?
- もし同じ仕事をするときが来たら、次はどこを変えるべきだろう? 変えないでもよい点はどこだろう?
- 事前の計画でうまくいったのは何だろう?
- 事前の計画でうまくいかなかったのは何だろう?
- うまくいかなかったポイントはどこだろう? なぜうまくいかなかったのだろう? 正しい方法とくらべて、自分が取った行動はどうだっただろう?
- まだよく理解できていないポイントないだろうか? そのポイントを明確化する方法はあるだろうか?
- この仕事から学んだことで、5年後にも覚えておくべきポイントはどこだろう?
- 友人が似たような仕事をすると想像して、どんなアドバイスをしてあげられるだろう?
- もし自分が仕事の依頼主だったらと想像して、どのポイントを変えられるだろう?
- この仕事から学んだことで、自分の未来や大きな目標に活かせるポイントはどこだろう?
まとめ
というわけで、メタ認知を鍛えるための質問集でした。基本的には「できるだけタスクのルールとゴールをハッキリさせようね!」ってのがポイントになってまして、ちょっと前に流行った「人生のゲーミフィケーション」なんかにも通じるところがありますねー。
このほかにもメタ認知を鍛えるテクニックとしては、
なんかがありますので、お好きなものを使っていただければ。ちなみに私の体験で言うと、メタ的な質問を自分に投げかけてると、つまらない仕事でもモチベーションがわいてきたりするのでオススメ。