「AppleWatch」とか「Fitbit ChargeHR 」の心拍センサーってどれぐらい運動に使えるの?問題
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「Fitbit ChargeHR 」って商品があるんですよ。リストバンドタイプの活動計で、日中の活動のほかにも心拍数を計測してくれるんで、心肺トレーニングをするような方に重宝されております。実は私もApple Watchを買う前は愛用してました。
ただ、近ごろは「Fitbit ChargeHR の心拍計はかなり厳しい!」って論文(1)も出てきてて、あら〜みたいな。
これは24人の男女を対象にした実験で、
- Fitbit ChargeHRを使う
- ECG系のモニターを使う
の2グループに分けた上で、77分のトレーニングプログラムを行ってもらったそうな。ECG系のモニターってのは胸に巻くバンドを使って心拍数を計るタイプのガジェットで、正確性の高さは過去の研究ですでに折り紙つき。いわば心拍計のゴールドスタンダードでして、日本だとポラールのセンサーが有名ですね。
いっぽうで「Fitbit ChargeHR 」が使ってるのがPPGって技術で、手首に緑のライトを当てて血管をとおる血の流れを見ております。緑のライトは血液にあんま反射しないんだけど、血流の変化に応じて反射率が変わるんですよ。この作用を使って心拍をカウントしてるわけです。
実験で採用されたエクササイズは有酸素運動と筋トレのミックスで、
- 60Wのサイクリング
- 120Wのサイクリング
- トレッドミルでウォーキング
- トレッドミルでジョギング
- トレッドミルでランニング
- ダンベルアームライズ(12回)
- ランジ(12回)
- プランク60秒
って感じです。いろんなタイプのエクササイズで心拍数を変えて、どれぐらい心拍計が対応できるかをみたわけですな。
さて、結果がどうだったかというと、まずFitbitとECGにはr = 0.83ぐらいの相関があったそうな。というとパット見は良さそうなんですが、
- Fitbitの誤差は8.8 ± 16.9 bpmぐらい(うーんイマイチ)
- 偏差は+24 bpm 〜 -42 bpm(なかなか辛い……)
って感じだったそうな。相関だけ見ると良さそうなものの、実際の誤差はかなりある感じですねぇ。これは心拍トレーニングに使うのはちょっと辛いかも。
さらに細かいところを言いますと、
- 運動が激しくなるほどFitbitの誤差はあがる(r = 0.58ぐらいになる)
- 偏差は+29 bpm 〜 -54 bpmぐらいになる
- 運動をしてないときなら、Fitbitの誤差は5.3 ± 10.7 bpmぐらいになる(これなら許容範囲)
と言った結果も出てたりします。安静時の心拍なら使えそうなんで、運動よりも身体の異常をモニタリングする目的ならありなのかも。
ってことで以上の話をまとめると、
- 心拍トレーニングのためにFitbit ChargeHR はおすすめできない。ちゃんとやるならポラールを使うべし
ってことになりそう。ちなみに、いま使ってるAppleWatchもPPG系の心拍計なんですが、いまんとこ安静時のストレスモニタリング用なので別にいいかーって感じです。