相手の嘘を見抜くのはムリだけど、相手の嘘を減らすことはできるかも!という話
「人間は嘘を見抜くのが超苦手!」ってのは有名な話。表情を読むトレーニングをしたプロでも、正解率は50%前後しかないと言われてたりします。
ならば、他人の嘘を見抜こうとしてがんばるよりも、「相手の嘘を減らす」方向に労力を向けたたほうが実りは多いはず。こっちのほうがコスパも良いのではないかと。
ってことで、新たに出た論文(1)は、「他人が嘘をつく確率を下げる方法を見つけたよ!」って内容になってておもしろいです。
これはテンプル大学の実験で、51人の男女簡単なゲームで競ってもらったんだそうな。ゲームの様子は以下の写真みたいになってまして、画面に現れる青い円を好きな方向に動かして、対戦相手に「どちらに動かしたか?」を当ててもらうってルール。ここで相手に嘘をついてもOKで、もし相手がダマされれば得点アップであります。
で、このときに全体を2つのグループにわけまして、
- 目の前のスクリーンごしに、対戦相手がこちらを見ている様子が見える
- 目の前のスクリーンが白くなり、対戦相手の視線は見えない
って感じにしたところ、アイコンタクトをしながらゲームをした参加者は、格段に嘘をつく確率が下がったんだそうな。わかりやすいですね、
研究者いわく、
この研究は、アイコンタクトが「嘘」に影響する事実を示した最初のものだ。
アイコンタクトには、正直な行動をうながす作用があるのかもしれない。
とのこと。人に見られると正直になるってのはわかりやすい話ですが、ここで研究チームは「認知が消耗するからじゃない?」って仮説を立てております。どういうことかと言いますと、
- 相手がこっちを見ていると、「相手が嘘を見抜いたのでは?」をモニタリングする必要が出てくる
- その分だけ、認知のリソースをたくさん使う必要が出てくるため、うまく嘘をつくのが難しくなる
- 嘘をつく確率が減る!
みたいな感じです。もともと「嘘」ってのはめちゃくちゃ頭を使うんで、ほかにも脳を使わねばならない状況があると、一気に精度が落ちてしまうんだ、と。なるほどねぇ。
ってことで、相手の嘘をブロックしたければ、会話の途中で向こうの目をガン見してみるといいかもしれません。シンプルながら効果は大きそうですな。