「人生の意味」を感じるために欠かせない4つの要素
「人生の意味は大事だよー」みたいな話を「最高の体調」で強調してるわけです。これは、たんに人生に意味を感じてるとモチベーションが上がるってだけじゃなくて、実際に体内の慢性炎症が減って長生きしやすいことがわかってるんですな。
「どうやって人生の意味感を深めるか?」みたいな話は「最高の体調」にまとめましたが、そのへんを掘り下げる作業は難しいもんです。本にも書いたとおり、そもそもヒトの脳は「人生の意味」みたいな抽象的なアイデアに慣れてないもんですから。
ってことで役に立ちそうなのが、ロイ・バウマイスターさんの研究(1)であります。ご存じ「WILLPOWER 意志力の科学」の先生ですね。
これは、「『どんな時に人生の意味を感じます?』っていろんな人に尋ねてみたよー」っていうシンプルな調査で、大量の答えのなかから「だいたいの人に共通する4つのポイント」を抜き出してくれたんですよ。具体的に浮かび上がったポイントは以下のようになります。
1.目的
なんらかのゴールを持ってるかどうか。これは「ずっと幸せに暮らす!」や「死んだら天国に行く!」みたいな抽象的なものでもいいし、「良い仕事を見つける!」みたいな具体的な目標でもOK。とりあえず、どんな目標でも人生の意味は上がる。
といっても、いっぽうで目標設定にはダークサイドもありますんで、「正しく目標を設定するための5つの条件」などを参照したほうが良いかとは思いますが。
2.価値
この論文でいう「価値観」をざっくり引用すると、
- なにが良くて悪いのかを識別するモラルの体系
みたいな感じです。なんか問題が起きたときに「これは自分的にナシだからやらない!」と即座に判断できるような指針が必要だって話ですな。
そのモノサシの根拠は人それぞれで、宗教の戒律がベースになる場合もあるでしょうし、哲学を使ってもいいでしょうし、誰か尊敬する人をモデルにしてもいいでしょうね。とにかく自分にとってのモラルの基準を固めておくのが吉。
3.有効性
ちょっとわかりにくい概念ですが、ひとことでまとめると、
- 周囲の環境に違いをおよぼせる、またはコントロールできる
のようになります。「僕のアドバイスで友人が変わった!」でもいいですし、「部屋の掃除をしたらキレイになった!」でもいいし、「ダイエットが続いてる!」でもいいですし、とにかく「自分の力で何かを変えられた!」と思えるのがポイントっすね。
4.自尊
誰でも「自分は良き人間だ」と感じたいし、「価値がある人間だ」と思いたいわけです。なので、この気持ちを高めてくれるようなものごとであれば、それは人生の意味につながっていくんですな。
それは「他人から褒められる」かもしれないし、「作品が認められる」かもしれないし、なんなら「セルフコンパッションで自分を認めてやる」になるかもしれませんが、いずれにせよ自分をポジティブな視点から眺められるのが大事。
ってことで、「人生の意味」に必要な4要素でした。「なんか毎日に張り合いがないなぁ」とか「なんかモチベーションが上がらないなぁ」みたいな方は、とりあえず「自分の人生は以下の4つを満たしてるだろうか?」とか考えてみると、とっかかりになっていいんじゃないでしょうか。
ちなみに、バウマイスター博士による「人生の意味」研究としては、ほかにも「幸福は金で買えるが、人生の意味は金では買えない」なんてのも取り上げてますんで、合わせてご参照くださいませー。