"あの食材"で脳の働きが衰えるリスクが50%も下がるかもだ!というナイスな研究の話
https://yuchrszk.blogspot.com/2019/03/blog-post_31.html?m=0
キノコが健康食材なのは間違いなく、ダイエットに効くかも?とか腸内細菌を増やすかも?といった見解がポロポロあるわけです(まだデータの質は低いんだけど)。
で、新しいデータ(R)は「キノコで認知症リスクが減るかも!」って話になってておもしろいです。
これはシンガポール大学などの研究で、60歳以上の男女663人を6年にわたって追いかけた観察研究になってます。具体的には、
- 普段どれぐらいキノコを食べてるかをチェック
- 定期的に運動テストと認知テストを行う
って感じになっていて、そもそもなんでこんな研究をしたかと言えば、
興味の対象は、エルゴチオネインという物質だ。これは特有の抗酸化と抗炎症効果を持った物質で、人間は体内で合成できない。しかし、キノコには多くふくまれている。
とのこと。キノコにはかなりすごい抗炎症効果があるので、食べ続けたら良い影響が出るんじゃないのか?と考えたわけっすね。
でもって、データから年齢や性別、教育レベル、タバコ、血圧、野菜の消費量、運動量といった定番の要素を調整したところ、
- 1週間に300g以上のキノコを食べている人は軽度認知症リスクが50%下がる!
だそうです。軽度認知症ってのは、痴呆まで大きな症状ではなくて、人より忘れやすかったり日常生活にちょっと支障をきたすぐらいのレベルを意味しております。
この相関は驚きだし勇気づけられる。これだけ日常的な食材が脳機能の低下に劇的な影響をあたえるのだから。
ってことで、サンプル数が少ないのがアレながら、確かに50%の差ってのはビビりますな。
また、ここでいう「キノコ」ってのは、
- エノキダケ
- ヒラタケ
- シイタケ
- マッシュルーム
などでして、スーパーで普通に手に入るラインナップになっております。これもいいっすねー。
まぁ、といってもこれは観察研究なんで「キノコが脳に効く!」とは言えないし、そもそもキノコには、
- ビタミンD
- セレン
- スペルミジン
みたいな成分が入ってて、いずれも神経を守る働きがあったりしますからね。エルゴチオネインだけの成果なのかはよくわからんとこではあります。
ただ、今回のデータは過去の調査とも呼応してて、2031人を対象にしたノルウェイの研究(R)なんかだと、
- キノコを食べれば食べるほど認知テストの成績も上がる
- キノコ以外の野菜でも認知テストの成績は同じぐらい上がる
なんて報告が出てたりします。そう考えるとキノコにこだわらなくてもいいのかもですが、手に入りやすい優良食材なのは確実なんで、積極的に取り入れていくのが吉ではないかと。