今週の小ネタ:簡単に血圧が下がる技、リバウンドが健康にあたえる恐怖、人間の性格は意外と簡単に変わる?
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ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
高血圧をラクにさげる日中の習慣とは?
ACCで発表されたデータ(R)に、「簡単な習慣で血圧が下がるよ!」って話が出ておりました。これは平均年齢62歳の男女212人を対象にした実験で、血圧がだいたい129.9 mm Hg前後の人を選んだらしい。研究では全員にウェアラブル型の血圧計を身につけてもらい、血圧の変化を24時間ぶっ続けでモニタリングしたそうな。
そのうえで、みんなのライフスタイルとくらべてみたところ、
- 1日にだいたい49分の昼寝をしている人は、昼寝をしない人より最高血圧が5.3 mm Hgほど低かった!
だったそうで、なかなかの差と言えましょう。研究チームいわく、
血圧が2 mm Hg下がっただけでも、心臓発作のような心疾患リスクは10%も減る。そのため、今回の発見は重要だ。
もし昼寝に罪悪感を持っている人がいても、安心して欲しい。血圧には十分な効果があるのだから。
ってことなんで、血圧にお悩みの方は昼寝の習慣を取り入れてみてもいいかもですねー。
ヨーヨーダイエットで心臓が死ぬぞ!みたいな話
お次はコロンビア大学などの研究(R)で、「ヨーヨーダイエットはどこまで体に悪いの?」って問題を調べております。短期間のうちにリバウンドをくり返しているような人は、どれぐらい体にダメージを受けてるのか?みたいな話ですな。こちらは485人の女性を集めて、以下のように尋ねたんだそうな。
- 4.5kgより多く体重を落として、それが1年以内にもとにもどったような経験って、過去に何回あります?
4.5kgの減量からリバウンドするってのは、わりと日本にも多そうなレベルじゃないでしょうか。
でもって、このデータを心疾患のリスク要因(BMIとかコレステロールとか)とくらべたところ、こんなことがわかりました。
- 73%の女性に、最低でも1回はリバウンドの体験があった(1年で20回以上のリバウンドをくり返した猛者もいた)
- 1回でもリバウンドをした経験がある女性は、BMIが適正値に入っていない確率が82%高く、実際に健康状態も悪かった
もちろん、このデータだとリバウンドが悪いとは言えないんですが、まぁ普通に考えれば体重の激しい増減が体にいいわきゃないですもんねぇ。
人間の性格は意外と簡単に変わるかも?
最後はハーバード大学の研究(R)で、「人間の性格は意外と簡単に変わるかも?」って内容になっております。これは鬱症状に悩む96人の若者(12~15歳)を対象にしたもので、全体を2つのグループに分けております。- 「性格は変えられる」という内容のオンラインレクチャーを1日20~30分ほど受ける
- 「一般的なカウンセリング」に関するオンラインレクチャーを1日20~30分ほど受ける
「性格は変えられるというレクチャー」がどんなものだったかというと、
- 神経の可塑性に関する説明(人間の脳はあとから変えられるのだ!みたいな)
- 「自分の行動は、脳が生んだ思考と感情に左右される」という事実の解説
の2ポイントに重点を置いております。つまり、「脳を変えて性格も変えようぜ!」みたいな内容を、いたって科学的に説明していったわけですね。
その後、9ヶ月後にパーソナリティテストや被験者の両親へのインタビューを行ったところ、「性格は変えられるというレクチャー」を受けたグループは、
- 鬱症状 が33%減った!
- 望ましい行動の量が増えていた(運動をするとか勉強をするとか)
といった変化が現れたそうで、全体的に積極的な行動が増えたみたい。研究チームいわく、
「『性格を変えたい』という意志をもってシステマチックに行動すれば、人間の特性は変えられる。本質的には、システム化された行動が『コントロールの信念』を強化し、その結果として実際に望んだようなキャラクターになっていくのだ」
「性格は変えられる!」と思いながら行動してたら、ほどなく自分のなかに「あれ?俺って意外とやれるのでは?」って自信が生まれ、最終的には新たなパーソナリティとして定着するのだ、と。いやー、なんか希望のある話でいいですねぇ。