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HIITはバキバキの体を作るためにも超役立つかも?みたいな実験の話

 

こないだ「HIITっていいよねー。やっぱ痩せるよねー」みたいな話を書いたばっかですけど、今回もやはりHIITのお話です(R)。


まずざっくり論文の結論から言うと、

  • HIITは体型改善に超役立つ!(かも)

みたいな感じです。というと「HIITで体脂肪が減る!」みたいな話と変わりがないようですが、大事なポイントが2つありまして、

  1. 心疾患で病院に通ってるような人を対象にしている
  2. HIITで筋肉が増えるか?ってポイントを調べてる

ってあたりが新味であります。とくに1番は大事で、これまでのHIIT研究って普段から運動をバリバリやってる人を対象にしてたんですよ(体が弱い人に激しい運動をさせると危険なので当たり前っちゃそうなんですが)。


研究チームいわく、

多くのHIIT研究は、アスリートを対象に「スポーツのパフォーマンスは向上するか?」といった疑問を調べてきた。

しかし、HIITは病気に悩む人たちのリハビリや予防措置としても使える可能性がある。この問題については、まだ研究は始まったばかりだ。

とのこと。HIITが役立つのは健康な人だけじゃないんだぜ、と。


ってことで実験では、心疾患などの治療で通院中の男女120人を集めまして、まずは普通に全員の心肺機能や運動能力をチェック。運動をしてもOKかどうかを確認した後、全体を2つのグループに分けております。

  1. 90人にはHIITをやってもらう
  2. 残り30人には普通の運動をやってもらう

HIITグループのエクササイズがどんな感じだったかと言いますと、

  1. 1分だけ全力疾走(エアロバイクでもトレッドミルでも可)
  2. 3〜5分ほど軽く走ってリカバリー(他人と普通に会話ができるレベルの負荷)
  3. 1〜2のステップを8回くり返す

みたいになってます。1分の全力疾走ってのはHIITとしては結構ハードで、なかなかチャレンジングなデザインですなー、という。


また、「普通の運動」グループがやったエクササイズは、

  • キツすぎずラクすぎないくらいのレベルで有酸素運動を30分(短い単語での会話ならできるレベル)

だったそうです。まことに普通の不可ですねー。


でもって、12週間の介入後にどんな違いが出たかと言いますと、

  • HIITグループは平均で 2.5kgほど体脂肪が減り、筋肉が800gぐらい増えていた!
  • 普通の運動グループは平均で体脂肪が500gほど減り、筋肉は200gぐらい増えていた!
  • HIITグループは平均で2.5センチほどウエストサイズが大きく減ってた!

だそうで、HIITグループのほうが格段に引き締まった体になったみたい。まぁこないだのメタ分析の結果に照らすと「HIITでバキバキの体型が手に入る!」とは言えないわけですが、負荷が高い分だけ普通の運動より筋肉が増えやすいのは納得じゃないでしょうか。

腹まわりの脂肪は心疾患リスクの増加につながる。そのため、HIITは心疾患の予防にもメリットがありそうだ。

この発見は、心疾患リスクを持つ患者に対してHIITが重要な治療法になり得ることを市している。

ってことでして、HIITの可能性がまた広がった感じですねー(もちろん治療中の方がやる場合はスーパーバイズが必須でしょうが)。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。