HIIT vs. 普通の有酸素運動、ダイエットに効くのはどっちだ?というメタ分析の話
「HIITいいよ!」って話をよく書いていて、「パレオダイエットの教科書」でもひとつ上の肉体を目指すための運動術として紹介してたりします。そのくわしい手法については、
などを見ていただければと思いますが、体力アップやアンチエイジングなど、とにかくメリットが多いエクササイズ法なんですな。
で、新たに出た論文(R)は「HIITってダイエットにどこまで役に立つの?」って問題を徹底的に調べてくれていて有用でした。
これはゴイアス連邦大学の研究で、過去に出たHIIT研究から77件を選び出しまして、
- 普通の運動とHIITはどっちが痩せるの?
ってポイントをチェックしてくれたんですな。「普通の運動」ってのはジョギングとかランニングのことで、そこまで高くない負荷で長時間の運動を行う手法を指しております。つまり、
- 「低負荷で長時間の運動」と「高負荷で短時間の運動」はどっちがいいのか?
って問題っすね。全体的には、肥満ぎみな被験者に4週間以上のトレーニングをした場合の結果を出してくれております。
また、77件の論文のうち41件は定性分析、残りの36件はメタ分析になってるんで、信頼度はそこそこ高めでいいんじゃないでしょうか。
では、分析の結果をまとめていきましょう〜。
- 体脂肪の減り方(%)は、HIITが−1.50で普通の運動が−1.44
- トータルで減った脂肪量(kg)は、HIITが−1.58で普通の運動が−1.13
って感じになってまして、つまりどういうことかと言いますと、
- 体脂肪率の減り方についてはどちらも同じぐらいで変わらない(−0.23 [95% CI −1.43 〜 0.97])
- しかし、トータルで減った体脂肪の総量はHIITのほうが多い (−2.28 [95% CI −4.00 〜 −0.56])
ってことです。最終的にはHIITのほうが28.5%ほど体脂肪が減ってまして、これはなかなかよろしい結果じゃないかと。
ちなみに、この研究ではサブルグループ分析として「SIT」(HIITの類似版)と普通の運動の比較もやってまして、こちらの結果も、
- トータルの総脂肪量はSITのほうが多く減る!(−3.22 [95% CI −5.71 〜
−0.73])
みたいになってます。ここらへんの結果をみると、やっぱインターバルトレーニングは太りすぎ対策に使えそうだなーって感じがしますね。
もちろん、減量の基本は食事管理ではありますが、そこに運動も取り入れてみたい場合はHIITがよさげ。長々と有酸素運動をするよりも時短になるし、良いのではないでしょうか。