プチ断食で現代病のリスクがガッツリ減って健康に!はどこまで本当か?
当ブログでおなじみの食事法といえば「プチ断食」であります。
あらかじめ決めたタイミングで食事をしつつ、最大で24時間までの空腹期間を作るテクニックのことで、最近も「普通のカロリー制限より体重が減りやすいよー」なんてメタ分析が出ておりました。もちろん劇的な違いが出るわけじゃないんですが、普通にカロリーを削るよりはラクでいいんじゃないか、と。
でもって、さらに近ごろよく言われるのが「プチ断食ってほかにもいろんなメリットがあるんじゃない?」って話です。たんに体重が減るだけじゃなくて、糖代謝やらコレステロールが改善した!ってデータもちらほら出てるもんですから。
が、ここにはちょっとした議論がありまして、「プチ断食の健康メリットってどこから得られるの?」って問題については、まだまだよくわからないんですな。つまり、プチ断食で健康になれるのは、
- たんに総摂取カロリーが減ったからなの?
- 断続的に空腹の期間を作ったからなの?
- 体型が改善したからなの?
ってところはよくわからないわけです。なかなか難しい問題ですなぁ。
ってことで、新しく出たデータ(R)では、「なぜプチ断食は健康に効くのか?というか、そもそも本当にダイエット以外のメリットがあるのか?」って問題を調べてくれていてナイスでした。
これはアデレード大学などの調査で、被験者は79人の女性(35〜70歳)。平均BMIは32なんで結構な肥満体の人だけを対象にしたみたい。
実験では、全体を4つのグループに分けております。
- IF70=週に3日だけ24時間の断食を行い、1週間の食事量を維持カロリーの70%にする(断食日は連続しないようにする)
- IF100=週に3日だけ24時間の断食を行い、1週間の食事量を維持カロリーの100%にする
- DR70=週の維持カロリーの70%ぐらいの食事を毎日続ける
- コントロール群=普通に食べる
「維持カロリー」ってのは現在の体重をキープするために必要な食事量のことで、この数字を下まわれば確実に痩せていくわけですね。
念のために書いとくとIFは「プチ断食」のことで、週に3日だけ完全に何も口にしない日を作るという、なかなかハードな手法になっております。リーンゲインズなどと比べると、精神的にはややきつそうな感じですな。
実験期間は8週間で、全体にどんな変化が起きたのかと言いますと、
- 体型の変化
- IF70グループがもっとも体重が減った(-5.4kg)。IF100グループは、IF70ほどではないもののDR70より体重が減った。筋肉の減少量についてはすべてのグループで同じだった
- 糖代謝と脂質代謝の変化
- インスリン抵抗性は、コントロール群をのぞくすべてのグループで同じように改善した(ただしプチ断食グループは、空腹期間に一時的にインスリン抵抗性が悪化している)
- 糖代謝と脂質代謝については、IF70グループがもっとも改善していた
だったそうな。どうやらプチ断食をしたグループは、毎日のカロリー制限よりも自然と食事量が減り、トータルで全身に良い結果が出たみたい。つまり、以上の話をまとめると、
- プチ断食で健康メリットが得られるのは、なんだかんだでカロリーが減ったからっぽい
- プチ断食のほうが自動的に摂取カロリーが減るため、糖代謝や脂質代謝にも良い影響が得られる
- ただしインスリン抵抗性については、もうちょいリサーチが必要だと思われる
みたいになりますかね。まぁ「プチ断食でガンガン健康になれる!」って言うほどの数値は出てないものの、肥満にお悩みの方が健康をとりもどす一助にはなりましょう。