「プチ断食 vs. 普通のカロリー制限」勝つのはどっちだ!みたいなメタ分析の話
パレオダイエットの上級編として、当ブログではよくプチ断食をオススメしております。 その名のとおり、16〜24時間の範囲で短い断食をくり返す方法で、減量のほかにもいろいろとメリットがあるんじゃないかなーと考えられるんですな。
で、新しいデータ(R)もプチ断食のお話で、「普通のカロリー制限との違いをいろいろくらべてみたよ!」って内容のメタ分析になっております。毎日の一定のカロリーを減らし続けるカロリー制限と、特定のタイミングで食事をとるプチ断食にはどんな違いがあるの?痩せ方の差は?筋肉量は?って問題を調べてくれたわけですな。
その点で2015年の系統的レビューに近いんだけど、今回の研究は「キツめのプチ断食」についても調べてるのがミソ。どのようなものかと言いますと、
- 普通のカロリー制限=毎日の食事量を80%まで減らす
- 定番のプチ断食=断食期間は30%まで食事を減らし、残りの時期は好きなように食べる
- キツめのプチ断食=断食期間は30%まで食事を減らし、残りの時期は食事量を80%まで減らす
って感じです。つまり「キツめのプチ断食」ってのは、慢性的に少しずつカロリーを減らしつつ、決まったタイミングでさらに食事を削るテクニックなわけですね。いかにもツラそうっすねぇ。
さて、この論文はコネチカット大学などによるもので、過去のプチ断食研究から信頼性が高い12件を選んでおります(RCTオンリー)。どんな項目をチェックしたかと言うと、
- 体重
- 体脂肪
- 筋肉量
- ウエストサイズ
- 消費カロリーの変化
などです。実験期間は代々12〜20週間ぐらいで、フォローアップが26〜52週間。参加者の総数は782で、肥満か過体重だけの人だけが選ばれております(あと全体的に女性が多い)。
で、まずは大きな結論です。
- 普通のカロリー制限、プチ断食、キツめのプチ断食を比べたところ、ほぼすべてのポイントで違いが確認されなかった!(厳密にはプチ断食の方が筋肉が減っているが誤差の範囲)
ってことで、どの手法を使っても同じように体重や体脂肪が減ってたらしい。キツめのプチ断食でも効果が変わらないのがちょっと意外っすね。
………なんだけど、この結果はあくまでPP解析って手法で分析した場合の数字。もうひとつITT解析を使ったら、わりと違う結果が出てたりします。
- ITTの場合は、プチ断食を使ったほうが体重は減りやすい!(-3.15kg)
だったそうで、そこそこの違いが出てますね〜。
ITT解析ってのは、すごーくひらたく言うと「途中でダイエットをギブアップしちゃった人」も分析の対象にする手法のことです。ダイエットの研究って必ず脱落者が出るものなんですけど、その人たちの結果をはぶかずに結果を出したわけですな。PP解析はこの逆で、「ちゃんと指示されたダイエット法をやりとげた人」だけで最終結果を出しております。
つまり、ITT解析はなにがいいかっていうと、
- わりと現実に近い結果が得られる!
ってことです。当然、現実の世界ではダイエットが続かない人が多いんで、私のような一般人にはITTのほうが参考になるんですな。
ITTだと普通のカロリー制限のほうが不利になる理由は不明ですが、ちょい前のメタ分析だと「プチ断食のほうが続けやすいんじゃない?」って結論が出てるんでそのせいなんでしょうな。プチ断食は精神的にラクなんで、そのぶんだけダイエット法としては有利なんだろうなー、という。
そんなわけで、カロリー制限をしてみたい方はやはりプチ断食を試してみちゃいかがかと思う次第です。どうぞよしなにー。