「プチ断食」でどれだけ痩せられるの?
当ブログでは、パレオダイエットの一貫としてプチ断食をオススメしております。 その名のとおり16〜24時間の範囲で短い断食をくり返す方法で、減量のほかにアンチエイジング効果があるなんて話も。
ただしプチ断食はまだ新しいジャンルなんで、まだまだデータが少ないのが難点です。確かに多くの実験では良い成績が出ていたものの、決め手には欠けていたのも確かなんですな。
プチ断食は食欲を減らす効果が高い!
が、2015年9月にプチ断食の系統的レビュー(1)が出まして、科学的に確かな証拠がそろってまいりました。
軽くおさらいすると、系統的レビューとは過去の実験データをまとめて大きな結論を出す方法のこと。科学的な信頼度はトップクラスであります。
この論文では40件の実験データが精査されてまして、そのポイントだけを抜き出すと、
- プチ断食のダイエット効果は、長期のカロリー制限とほぼ同じ。体重、ウエストサイズ、体脂肪のすべてが、カロリー制限を続けたときと同じぐらい減る。
- 安静時の代謝はプチ断食も長期のカロリー制限も同じぐらい下がる。
- プチ断食は、普通のカロリー制限ダイエットよりも食欲を減らす効果が高い。
- プチ断食とエクササイズを組み合わせると体脂肪を減らす効果が高まる。
といった感じ。つまり具体的な例をあげると、
- 1日1,400kcalのカロリー制限を毎日続ける
- 週に2日だけ断食して、残りの5日は1日2,000kcalを普通に食べる
といった2パターンのダイエットをした場合、どちらも減量の効果はほぼ同じになります。ただし普通のカロリー制限のほうが空腹に苦しみやすく、そのぶんだけプチ断食のほうが有利なんですな。カロリー制限ダイエットの95%が失敗に終わることを考えれば、なかなかうれしいニュースではないかと。
プチ断食の正味な実力とは?
研究者いわく、
プチ断食を行った参加者たちは、普段の摂取カロリーが平均で5%減った。これは驚くべき現象だ。なぜならプチ断食中の参加者たちは、レプチンのような食欲を調節するホルモンが減少したにも関わらず、自然と食べる量が減っていったからだ。
とのこと。普通は断食をすると食欲を減らすホルモンの分泌量が下がり、太りやすい体になっていくものなんですよね。ところが、プチ断食にはその現象が起きにくいみたい。おもしろいもんです。
また、プチ断食とエクササイズで脂肪の燃焼スピードが上がるのは、「プチ断食で腹まわりのしつこい脂肪を減らす方法」にも書いたとおり。ストレスホルモンの分泌が量が短い間だけ増えたせいで、脂肪を燃やすリパーゼが活性したものと思われます。
また、2015年にはプチ断食の効果を調べたレビューがもうひとつ出てまして(2)、この結果によると、
- 日替わり断食を3〜12週間つづけると…
- 体重は3〜7%減
- 体脂肪は3〜5.5kg減
- コレステロールは10〜21%減
- 中性脂肪は14〜42%減
といった感じらしい。中性脂肪を減らす効果が高いですねー。これはなかなかの成果ではないでしょうか。
ただし、わたしが実践しているリーンゲインズについては、まだデータ不足で明確な結論は出せないとのこと。こちらの結果も気になるところです。
まとめ
以上の話をまとめると、
- プチ断食のダイエット効果は普通のカロリー制限と同じ
- ただし、プチ断食のほうが空腹に苦しまずにすむ
- コレステロールや中性脂肪を減らす効果もある
といったところ。科学が認めたダイエット法として、レパートリーのひとつにして良いかと思います。
ちなみに特に体重を減らす必要がないという方は、もっと手軽にできる「モノマネ断食」を採用するのもあり。カロリー制限の辛さを最小限にしたまま、アンチエイジング効果を得られるかもしれません。